――彼、僕の甥っ子なんですよ。これは店長としてではなく、叔父としてお願いしたいんですが、今後彼を個人的に呼び出すのは辞めていただけますか?彼、すごく困っているみたいなんです。今日は本来、その話をしに来たかったんです。でも急に弁護士の方が来て、そちらの話もしなくてはならなくなってしまったので、一度に二つもショックな話をするのはいかがなものかなと控えていたんですが。葵さん、もう僕らいい歳ですよ。もう少し、かっこいい大人になりませんか?若い子たちからこんな風に言われちゃう大人、僕はいやですね――
葵は呆然として、何もいえず、へたりと椅子に座り込んだ。
こちらはお支払いさせてください、そう丁寧にお辞儀をして店長と彼は葵を残してファミレスを後にした。
「全然、状況が掴めませんでした。レナのことは置いておいて彼と私、いい感じじゃなかったってことですよね。何これ、みたいな。何を浮かれていたんだろうって急に恥ずかしくなりました」
その後、レナが訴えてくる気配はなかった。
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