「うちに店長を連れてくるんなら、先に言ってくれればいいじゃないですか。それに弁護士が来たことだって知っていたわけでしょ?こっちがどんだけ世話してやってると思ってるんだよって話ですよ、マジで」
怒り心頭の葵をよそに、そういうことなんでと店長は立ち上がった。ぼんやりしていたスタッフもはっと我に返って店長を追うように席を立った。店長にはこれ以上、何も話すことはないが、スタッフをそのまま帰すわけにはいかない、そう思った葵は、立ち上がり彼の腕をつかんだ。すると彼はまるで恐ろしいものを見るような目でこちらを見て、腕をぎゅっと自分の方へと引き戻した。
「えっ?と思いました。一瞬何が起こったのかわからなかったんです」
すると店長が今までにない真剣な顔つきになって、落ち着きのある声でこう話したという。
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