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いきなりトラックが横転してきたら?交通事故のメカニズムを読み解く

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■速度超過も原因とは考えにくく、横転の原因は強い横風しかない

速度超過(制限速度40km/時を48km/時で走行)の影響を調べるため、進行方向と横方向の風の大きさについて調査をした。当該地域では最大風速が19.0m/秒であったことから、この数字を用いて、トラックが受ける風の大きさをベクトルで表すことで考察した。トラックの速度成分は法定速度の場合だと40km/時=11.1m/秒、ドライブレコーダーが示した速度だと48km/時=13.3m/秒であり、ベクトルの成分の大きさを考えると、走行速度に比べて横風の速度のほうが高い。また一般的に、障害物の少ない橋の上は風が強く、観測所での計測値よりも強い風が吹くことは容易に想像つくため、横方向のベクトル成分は、さらに大きなものだったと推測した。

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走行中のトラックが受けたと考えられる風の大きさのベクトル。制限速度40km/時に対して48km/時とわずかにオーバーしているが、横風の方がベクトル成分は大きく、この程度の走行速度の差が、トラックの横転の主たる要因とは考えがたい

そのため、8km/時程度の走行速度の差が、トラックの横転の主たる要因とは考えがたいと判断。つまり本件は、トラックドライバーの運転操作のミスや、速度超過が横転の原因とは考えにくく、短時間の強い横風によって、トラックは防ぎようがなく横転してしまった、ということだったと、中島氏は結論づけた。



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