④ 就職希望者の問題
採用選考経験を相当に積んだ面接のプロであっても、応募者の人柄や能力を評価して見抜くには相応の時間を要する。だからこそ新卒採用では筆記試験、グループディスカッション、グループ面接、個人面接と多くの選考ステップがあり、面接官は人事採用担当のみならず、現場で共に働くことになるメンバーや上司になる人など、様々な立場の人が選考に関わり、時間をかけて総合的に判断するものだ。
一方で、離職が激しく、慢性的に人手不足であるブラック企業の場合、応募者を厳選している余裕などないため、「面接1回で即内定」「学歴、職歴などすべて不問」といった、選考のハードルを極端に低くして採用を行うことが多い。
本来はその時点で警戒すべきだが、就活や転職活動において複数の企業に応募し、残念ながら意中企業の選考が不合格だったり、軒並み通過しなかったりした人は、自信を失い、自己肯定感も低下してしまいがちだ。
そんなタイミングで一発内定が出てしまうとつい恩義を感じてしまい、「こんなダメな自分を拾ってくれた……この会社で頑張ろう!!」などと決意してしまう。そうやってブラック企業に入社し、貢献してしまう人がいる以上、ブラック企業が生き永らえることに繋がる。
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