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LIFESTYLE 新田龍の「コンプラ総研」

【後編】ブラック企業はなぜ滅びないのか。「お客さまは神様思想」がブラック企業を暴走させる。

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決定的な流れの変化は、大手広告代理店の社員の過労自殺事件であった。これ以降、労働基準監督署もサービス残業や名ばかり管理職の問題を厳しく指導するようになり、世間の目も厳しくなっていき、法律改正への後押しとなった面もあると思われる。

戦後日本は長らく「人口ボーナス期」に恵まれていた。この時代には、大量かつ均一な商品やサービスが求められるため、男性ばかりで長時間労働する同質的な組織が大成功し、その状況に最適化した人事制度や雇用慣行を今まで使い続けてきた。しかし「人口オーナス期」となり、モノがあふれてすぐに飽きられ、買い手も減少していく時代となっては、大量生産よりも「商品やサービスにイノベーションが起きること」「多様な発想が生まれること」「育児や介護などの制約条件があっても働き続けられる組織であること」の重要性が増している。

また働く人の価値観も多様化し、報酬のあり方も決して「出世」や「昇給」ばかりでなく、「働く場所と時間」「副業」「ワーク・ライフ・バランス」などの「自由」や「柔軟性」が確保されている状態こそが魅力的な報酬と捉える傾向もある。



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