そう、ふたりはずっと、相手のことをどこかで見下げあっていた。
女同士はいつだって、どこかで少し見下げあっている。
だからこそ、週末に会うたびに、相手より自分が優れている部分を確認することで安心し、この東京での生活を生き抜いてきた。自分の方が可愛いと思っている麻美と、自分の方が賢いと思っている乃江が、そもそも友達関係を本当に築けるはずはないのだから。
だけれども、これからは違う。何も知らない麻美と、それを知った上で腹の底で笑っている乃江とでは、今までのようにはいかない。麻美だけが、何も変わらないと思ったままだ。
ねえ麻美、今日も自分の方が容姿が上だと思いながら会ってくれても構わないよ、確かにあんたはかわいいよ、それでいいでしょ。私はもうそんなことよりも気持ちの良くなる事実を知っているからさ、来週もまた、女子会しようね。そうそう、旦那さんになる“マサトさん”の紹介、待ってるね。
Text:女の事件簿調査チーム
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