©Getty Images
「もしもし、マサト? ちょっと話があるんだけど」
乃江はそのまま、マサトの家の最寄り駅まで向かった。指定したファミレスで落ち合い、乃江は着席後すぐに言葉を発する。
「ねえ、マサト。麻美と結婚するの?」
「……え?」
「今、麻美と会ってきて報告を受けたの。私が北海道出身で仲良くしている女の子いるって言ったよね、あれ、麻美なんだよ。マサト、知ってた?」
マサトの顔から笑顔が消える。その一言で全てを悟ったマサトは、全てを観念したかのように、何の言い訳もせずに全てをひとつずつ説明をし始めた。
一年ほど前、マッチングアプリで良い相手を探していたときに、まず最初に乃江と出会ったこと。乃江と身体の関係を続けていくうちに、別の女性とも遊びたいと思ったこと、そこでまたマッチングアプリを開いて見つけたのが、麻美だったこと。ふたりが繋がっていることは知らなかった、乃江と麻美以外にも、実は複数人の遊び相手がいること。麻美が妊娠したことで渋々結婚を決断したこと、そして、結婚後も「遊び続けることは絶対に変わらない」ということ。
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