目の前に突如現れた魅力的な女性の誘いにのったが最後、その先には大きな落とし穴が……。いわゆる“ハニートラップ”。「小説や映画、某番組ではよく聞く言葉だが、一般市民には関係ない」と思っていないだろうか。
もし、あなたの最も身近な人が、巧妙に「ハニートラップ」をしかけていたら……。
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
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専業主婦の風間美津子（仮名）38歳。夫と子供の３人暮らしで、都内のタワーマンションに暮らしている。子育て中心の生活を送ってきた美津子だったが、最近ちょっとした仕事を始めた。「お料理教室」だ。
©Getty Images「専業主婦として暮らしてきた私にとって、得意なことといえば“お料理”。家族のための料理だったのが、子どもの成長とともに増えてきた空き時間を利用して、友人たちに手料理をふるまうように。それが好評で、少人数でのお料理教室をこぢんまりと始めたんです」
料理教室の生徒はママ友中心。自分と同じ時間軸で動いている彼女たちとは無理なく教室開催日時の調整が出来て気楽。なにより、先生という立場ではあるけれども、気心の知れたママ友たちとのひと時は楽しかった。
なかでも、ひときわ美津子の料理教室を気に入り、積極的に参加しているのが金子理恵（仮名）。他の生徒同様ママ友だ。
そんな彼女が美津子に個人的に料理を教えて欲しいと依頼してきた。理由は「家族のために、もっと料理がうまくなりたい」だった。
「正直驚きました。理恵さんはお世辞にもお料理上手とは言えず、作ることが好きそうではなかったからです。時々エプロンすら忘れてくることも。手よりも口を動かしているタイプでしたが、おしゃべり上手で、見た目も華やかで明るく、きさくな人でした」
そんな彼女のたっての希望ということもあり、快諾。美津子による理恵宅でのプライベートレッスンが始まった。
当初、レッスンは美津子と理恵のマンツーマンだった。しかし、２回目を過ぎた頃から理恵の夫、博（仮名）もレッスンに加わるように……。
©Getty Images「『夫に料理を教えてあげてほしい』。これまた理恵さんのたっての希望でした。聞けば、彼女は以前から通いたかったフラワーアレンジメントの学校に通うことになり、夕飯を作れない日も増えるかもしれないし、何よりご本人が料理に興味があるとの話でした」
実際、博は手際よく、積極的に美津子に質問を投げかけ、料理の腕前も妻よりずっと上だった。しかし、レッスン５回目を過ぎた頃から、理恵は欠席。レッスンに参加するのは博のみの日が続いた。
「ご主人様は生徒ではあるけれども、理恵さんの旦那様。レッスンとはいえ、2人きりで台所に立ち、ましてや私の家のキッチンではなくて、彼女の家。なんとなく変な感じでした」
もやもやしたものを抱えながらも、レッスンは定期的に開催。理恵はレッスンを休みがちで、博と二人きりの時間が増えていった。
Text：女の事件簿調査チーム
