川崎:あなたと話していると、底知れぬ何かを感じるの。例えば、デパートの包み紙は美しいけれど、中には劇薬とかタランチュラが入っている可能性だってあるじゃない。あなたにはそんな香りがしなくもない。「共に成長したい」と言うけれど、共働きでもいいの?
沙雪:いいですよ。私も仕事が好きですし、一生働きたいと思っています。
川崎:それはいいのよ。でも何かが違う。では質問を変えよう。共働きはいい。でも家計を合算することは許容できるの? あなたの収入を家計に回すってことよ。
沙雪:え?? 私、「家計を女性に出させて恥ずかしい」って人がいいです。「生活費は僕が稼ぐから美容代くらいは沙雪ちゃんが出してね」って人。それ以外は彼が出すべき。
川崎:あ!そこよ。そこがポイント。私はあなたのその願望を最初に見抜けなかった。包装紙が立派すぎるのよ! あなたの包装紙は、「良妻賢母もやりつつ、共働きもします」とでも言えるわよね。あなたが迷宮に入ってしまう根本的な問題はそこなのよ。
沙雪:自分でも気が付かなかった。共働きでめっちゃ仕事をして、パワーカップルになりたい。私もこれからキャリアアップしていきたい。けれど、生活費や子供の学費は払いたくない。
それに、私は私に生活費を出させるという考え方の男性とは交際したことがないんです。学生時代から年上の男性が好きでした。ここ5年ほど、年収3000万円以下とは付き合ったことがないんです。そういう男性にモテているし、その努力もしています。
川崎:わかるわ。その教養と美貌と聡明さは努力のたまものよね。あなたはよく頑張っていると思うよ。これまでの話は、あなたが同世代の男性と共に成長したいという前提で話をしていた。でも、あなたが求めているのはそうではない。
沙雪:はい。ぶっちゃけ、私に生活費を出させる人とは結婚したくないです。
川崎:では、目標設定をしよう。とりあえず、今のまま全方位的に男性にウケていると不倫願望の既婚者と、変な義母がいる資産家の2択になってしまう。あなたはモテるから、“年収が高く、容姿もよく、心が広い男性がいいな”というフワッとした目標設定をしてしまう。それだと前に進まない。今後必要なのはプロファイリングよ。例えば年収3000万円以上で、バツイチの15歳年上、外資コンサルとかね。
沙雪:なるほど!
川崎:そしてあなたは今後一切、「共働きがオッケーです」って顔をしないこと。そういう男性が来てしまうからね。
沙雪:そうか。私、相手の求める役割に応えてしまうところがあるから、気を付けます。私は頑張って働いてキャリアアップしたいけれど、生活費は出したくない。
川崎:よし! その調子! 目標が明確になった。あなたの婚活の問題点は男性から「わかりづらい」ことだったの。今のままだと、男性は「この人はキャリア志向で共働きもOK」って意識であなたのところに来てしまう。だからかみ合わなくなる。
沙雪:あ~それか。私は年上でお尻が垂れていなくて、それなりの遊びはやりつくして、落ち着いている高収入の男性がいい。
川崎:いいわね! 明確になってきた。今、年下女性と結婚願望があるシニアの富裕層の男性は、某ドンファン事件以来、20代の女性に警戒心が強くなっているから、30代のあなたにとって、チャンス!
沙雪:追い風が吹いていますね。
川崎:そうよ! あなたはシニア婚に行こう! てっぺん取りに行きな!!
沙雪:そうなんです。私のことを守ってくれて、自由にしてくれて、夜寝るときにギュッとしてくれる人がいい。
川崎:そんな男性、たくさんいるよ。あなたの美貌と社交性があれば。
沙雪:長い回り道をしました。
川崎:だからこそ、自分の求めることがわかったし、幸せな環境に身を置くことができたのよ。
沙雪:そうですよね……泣ける。私、母にそういうことを言って欲しかった。
川崎:恋愛や結婚は、自分が子供のころに満たされなかったことの穴埋めだったりするから。これからの恋愛は、あなたが心おきなく甘えられる男性を選ぼう。きっといい未来が待っているはず。
記事へのコメントもドシドシよろしくお願いします。川崎先生が答えてくれるかも?
Text:Aki Maekawa
Photo:Yuji Hirose
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【川崎貴子 プロフィール】
女性に特化した人材コンサルティング会社、リントス株式会社代表取締役。経営者歴23年。女性の裏と表を知り尽くし、人生相談にのりフォローしてきた女性は2万人以上。婚活結社「魔女のサバト」働く女性の為の婚活サイト「キャリ婚」主宰。「女のプロ」「黒魔女」の異名を取る。15歳と8歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に、著書に、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(KKベストセラーズ)『私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由』(大和書房)『上司の頭はまる見え。』(サン マーク出版)『モテと非モテの境界線』(講談社)など。
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