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LIFESTYLE 女たちの事件簿

〈後編〉【理想の田舎暮らしは幻想だった】のどかな育児に憧れた夫婦が、少人数教育で直面した想定外の現実

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統合に賛成する人が一定数以上いる一方で、反対意見も根強い。反対派は概ね古くからの住人で、「自分の母校がなくなったり、よそと一緒になったりすることは許せない」とか「小学校は町のシンボルだからなくすという選択肢はない」と言って絶対に妥協しない人もいるのだそう。

「子どもたちのことよりも、大人の感情論とか、小学校という町の象徴が消滅することで、自分たちの町が町として機能しなくなるのではないかという恐れが先に立つんでしょうね」

地域を取り仕切る「重鎮」たちは、『ワシらの目の黒いうちは統廃合などはさせない』というような発言をくり返し、統合賛成派に睨みをきかせているのだという。

 

「高齢者や卒業生の感傷とか執着とかもわからないではないですが、それはこの際置いておいて、子どもたちにどう育ってほしいかとか、有意義な学校生活が本当に少人数で可能なのかとか、そういうのをちゃんと議論してほしいんです」

©Getty Images

まりあさんの調べによれば、廃校後の学校の活用には国からの補助金制度も適用されるとのこと。

「高齢化が進んでもこの先町が廃れないように、校舎を観光利用したりしてもいいと思います。でも、私たちみたいな新参者がこんな意見を言ったら総スカン喰らいそうで、絶対言えません」

まりあさん夫婦は、息子が毎日浮かない顔をして『学校って全然面白くないんだよ』と唇を尖らせている姿を見るのがつらい。小学校生活はまだ3年以上も残っているので、息子に多くの友達と出会うチャンスをあげたいと思うようになった。



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