〈後編〉【理想の田舎暮らしは幻想だった】のどかな育児に憧れた夫婦が、少人数教育で直面した想定外の現実

「１人ずつへの指導が手厚い点が少人数学校のメリット、とよく言われますが、実際には低学年の時につけられたキャラクターから逃げられなくなり、立場が強い子はずっと強かったり、普通の学校なら進級のタイミングで少しキャラ変できたりするのにそれができなかったりで、自分で自分を押さえつけてしまう子もいます。めちゃくちゃ窮屈なんです」

少人数であることの窮屈さが子どものメンタルに及ぼす影響を危惧する親は、まりあさんの他にもいるという。

「人間関係で詰んだり、いじめが解決しなかったりで引っ越してしまう人もいます。ただでさえ人数少ないのに。結局、たくさん子どもがいたりクラス替えがあったりすれば何となく薄まる問題でも、これだけ少人数だと無理なんです」

息子さんが通っているのは、全校生徒が100人を切っている小学校と聞いたが、近隣の学校との統合話などは出ないのだろうか。