「ある日、どうしてもひと肌恋しくなって、ベッドで背を向ける夫にそっと寄り添ってしまったんです。別に夫婦生活を望んだのではありません。純粋にスキンシップがしたかっただけ。
すると、夫から信じられない言葉を浴びせられました。
『疲れてるんだ。いい歳して、なに色ボケこいてんだよ。バーカ!』
あまりのショックに、全身から血の気が引きました。虚しさに包まれる私の頭の中では『バーカ、バーカ』と屈辱的な言葉が繰り返されて……」
ルミさんは悔しげに唇を噛んだ。女だってありのままの自分を理解してほしい。
そんな時だった。ミュージカルや宝塚観劇が好きなルミさんに、知人がキリコさん(仮名・40歳独身・映像関係)という女性を紹介してくれた。
「キリコさんに出会った瞬間、心臓が高鳴りました。ショートカットでスラリと背の高い、宝塚の男役のような美女でした。
映像関係の仕事をしているせいか、洋服のセンスも良く頭の回転が速い。細身のパンツスーツの似合う都会的な彼女に、同性には抱いたことのないときめきを感じてしまって。
夫の心ない言葉に打ちひしがれていたタイミングで出会った『男装の麗人』さながらの彼女に、会うたび惹かれていったんです」
ちなみにルミさんは異性愛者で、同性愛の経験はないという。
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