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【後編】リアル・リトルダンサーの世界。バレエ界のLGBTQ。当事者が語る「意外な実態」

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「性自認が『女性』の男性ダンサーは確かに、以前より立場が確立されつつあって、悩みやつらさはまだまだ当然多くの人が抱えているでしょうけど、勇気を持って『女性役』であることを希望することがかないそうな状況ではあります。でも、女性ダンサーはそうはいかない」

厳しい口調でそう言い放った麗美さん(仮名・28歳)は、性自認が不明の女性ダンサーだ。


©️gettyimages

「私は幼い頃からバレエを続けてきて、バレエこそが恋人で、バレエ以外に気持ちを注ぎ込めるものなんてありませんでした。

ただ、数々の美しい妖精や王女を踊る美しいダンサーたちを見てそれに憧れ、そうなりたいと思いながら生きていくうちにいつしか『女性役』自体に恋心を感じるようになりました。

オーロラ姫やオデット姫を自分が演じたいと言うよりは、彼女たちを愛おしく、そして支えてあげたいという思いが強い。だからはじめはコールド(主役の周囲で踊る大勢のダンサーたち)として舞台に立って、オデット姫やオーロラ姫を踊るダンサーたちの近くで踊っていることで幸せを感じていました。

でも最近は、彼女たちのパートナーとして、彼女たちをサポートしながら踊りたい……そう思ってしまうのです」

麗美さんはとても華奢で、いかにもバレエダンサーといった風貌だ。

「健次郎先生には、『じゃあ男性の役をやってみるかい?』とおしゃっていただいたのですが、私の体格ではリフト(相手のダンサーを持ち上げること)がかなわない。トレーニングして男性のような筋力まで持っていくと今度は、今踊っている役が踊れなくなるような気がするし……かなり悩んでいます」

麗美さんのため息は深い。



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