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【後編】リアル・リトルダンサーの世界。バレエ界のLGBTQ。当事者が語る「意外な実態」

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「クラシックバレエには明確に『男性』『女性』という性別上の区別が存在しています。

王子や闘牛士、村人すらきちんと『男性』役なら『男性らしさ』を求められる。そこが女性的であってもいいと言うことには決してなりません。『男性の役』を演じる以上、大変古典的な『男性らしさ』みたいなものを求められるのは当然です」

そう話す健次郎さん(仮名・45歳)は今、後進の指導にあたる立場にいる。

「僕が指導している男性ダンサーたちの中にも、性自認が『女性だ』という子たちはいます。そういう子たちには僕は、自分をブラッシュアップして『女性の役』を踊ることができるようになる方法をすすめることもありますよ」

そう話す健次郎さん自身はかつて『王子を踊らせれば彼の右に出る日本人男性はいない』と言われたほどのダンサーだ。


©️gettyimages

「ノーブルだとか、持って生まれた高貴さが踊りに出ているなんてあの頃は言っていただきましたけど、僕は下町のお魚屋さんの息子です。そんな風に褒めていただけるようになるために、役柄として『王子』というものを研究し尽くして、『王子』に僕はなったんです。

だから、性自認が『女性』であるならば、まだまだ理解はしてもらえないでしょうけど、『女性の役』を踊って認められるようになればいいんじゃないか、というのが僕の意見です」

そう言って軽く頷いてみせる健次郎さんの仕草は確かに、優雅で現実離れしている。



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