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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】「そのうち異性に興味を持つよ」アップデートされない、教育現場の錆び付いた実態。

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LGBTQを自認している子たちだけではなく帰国子女やご両親が外国の方だという子たちの前で『日本人は自己主張をしない代わりに相手を尊重し慮るが、欧米の人たちは相手のことを考えない』というようなよくある日本と諸外国を比較する文章を取り扱うときにも、

私は、両親が海外の方だという子どもたちが『日本人じゃないから相手のことを考えない』というような非難にさらされることのないようにかなり配慮をして授業を行っています。

だから、今あるもの削除してほしいという意味ではなくて、LGBTQだけではなく人はみんな多様だということを訴える文章が教科書の中にもっとたくさんあってもいいのかなあとは思いますね」

比奈子さんの言葉は力強くて明瞭だ。

彼女自身に迷いがないからなのだろうが、彼女のようにしっかりとLGBTQを自認する子どもたちへの対応を自分の中で決めてしまえているケースは実はまれだ。

「昔はまずそんな、LGBTQなんて言葉がなかったので、少し女性的だなと思う男子生徒やかなり男っぽいなあと感じる女子生徒がいたというくらいだったんです。

まあもうこの『女性的』とか『男っぽい』とかって表現もあまり望ましくはないのですよね?なんだか、本当に難しいですねえ」

そうこぼすのは、関西圏で体育を教えている充さん(仮名)52歳だ。

「男女の区別を何かの折に書かせてもいけないし、性教育の授業なんかでもかなり言葉に気をつけないと、自分のどの言葉が子どもたちを傷つけることになるのか分からなくて、かなり困惑しています」

そう言って顔の汗をふく充さんは、諸外国のLGBTQ教育についてもいくつか調べてみたそうだ。



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