【後編】「そのうち異性に興味を持つよ」アップデートされない、教育現場の錆び付いた実態。

そう言って悩む果穂さんに対し、彼女の同僚で国語を教えている比奈子さん（仮名）４０歳は、「今の時代は、全員『配慮が必要な子』だと思うよ」

と声をかけるそうだ。

「LGBTQではなくてもヤングケアラーだったり、保護者からの過剰な期待に悩んでいたりと、今の子どもたちは、以前に比べて細やかな配慮が必要な子たちばかりです。

スマホでコミュニケーションを取ることが常態化しているので、直接コミュニケーションを取ることも上手ではない。

だから全ての子どもたちに対して『特別な配慮』をしていくべきだと私は思っています」

比奈子さんの担任するクラスにはLGBTQを自認している生徒がおり、制服のスカートをはきたがらないのでパンツスタイルを受け入れてほしいというその生徒の願いを許可した。

「そしたら、LGBTQを自認しているわけではないけれど、『スカートをはいていると言う状態に不安感を覚える』というような生徒もいたので、

学校に掛け合って、パンツとスカートを自由に選択できる状態にしてもらいました。