「総勢15人くらいで滞在するので、お風呂も困ります。前回は生理だったこともあるけど、年功序列的にも私が入れるのは大体いつも最後になります。
私の番が来る頃にはお湯がすごく汚れているので気持ち悪くて入れません。だから、どっちにしてもシャワーで済ませます」
洗面所の扉には鍵がないため、誰かが入って来ないかどうか不安で仕方がないが、そのような細かな心配事にまで気遣いをくれる人は誰もいない。
「そのうち子どもができて、お風呂上りの身支度に手間取るようにでもなったら……。いきなりドアをガラガラって開けられて見られてしまう、なんてことも時間の問題な気がします」
義実家では、宴会が繰り広げられた二間続きの広い座敷を片付け、そこにたくさんの床を延べて就寝するのだそう。
「その片付けとお布団の準備も死ぬほど大変です。男の人たちは何人か酔って寝てしまっていたりするので、邪魔で余計大変なんですよね。前回は夫も爆睡してました。踏んづけてやろうかと思いましたよ(笑)」
ようやく布団に入っても、多くの他人の気配とあちこちでこだましているイビキが気になって思うように休むことができず、知沙子さんは毎回寝不足になってしまうのだという。
「翌日も朝から忙しく過ごします。お布団を片付けたり朝食の支度を手伝ったり……。その後は全員でお墓参り。お墓の大掃除もするので、結構時間がかかります」
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