「もうキモいキモい。お義父さんのいとこなんて、誰?って感じなのに触れてくるなんてあり得ないですよ。
しかも私が困ってるのをわかってて、義父は『若い子はいいなあ、チヤホヤされて。あっちの干からびたババアどもを見てみろよ、もう誰も触ってもくれないぞ』と言ってガハガハと笑ってましたね。で、それを聞いたおじさんたちが一斉に笑うんです」
親戚宴会ならではの奇妙な同調圧力は、都会の現代人である知沙子さんにはどうしても受け入れられないという。
「全然面白くないんですけど、おばさんたちも『いやだあ、ひどいわね』『おにいさん、毒蝮さんみたい』とか言ってみんなで大笑いしているんです。そもそも、どくまむしって誰ですかね? もう、あのノリについていけなくて、キツいの一言しかありませんでした」
義実家で過ごす間、知沙子さんがくつろげる時間はない。
「ちょっと顔出すくらいなら我慢できますが、とにかく泊まりがツラい。テレビは自由に観られないですし、家の中のトイレを誰かが使用中だと、外の小屋みたいな古いトイレに行かなきゃいけません。
そこは暗いし和式で、めちゃくちゃ怖いんです。しかも、家の中のトイレも外のトイレも、生理用品を捨てる場所がないんです。だから去年はゴミをジッパーバッグに入れて持って帰ってきたんですよ」
トイレも落ち着けなければ、お風呂にも安らぎを求めることはできないという。
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