「無言電話が原因なら心配しなくて大丈夫。僕だから。ごめん……」
舞は思いも寄らない亮の言葉に声を詰まらせた。
「卑劣なことだとわかっててもやってしまった」
舞の指の動きを見て携帯のロックを外し、夫の番号を手に入れたという。
「どうして亮がそんなことをするの?」
「舞が大好きだからに決まってる」
「そんなこと今まで言わなかったじゃない……」
「言わせなかったのは舞でしょ?」
そう言って亮は涙をこぼした。
「僕に大好きだと何度も言いながら、本当のところ誰を一番愛しているの?」
亮の問いかけに舞が答えられないでいると、亮はテーブルのワイングラスを床に叩きつけた。
「旦那さんと別れられないなら、一緒に死んで」
©Getty Images
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