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GRカローラをトヨタがもったいぶる理由

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■バッテリーEV一辺倒の欧米に切り込んでいく存在に

気になるGRカローラのスペックですが、GRヤリスのパワートレインがGRカローラにほぼそのまま搭載される可能性が高いということを考えると、GRカローラのインパクトはそれほど大きくないようにも思えます。

しかしながら、トヨタがGRカローラを出すことには大きな意味があると筆者は感じます。カローラスポーツといえば昨年、「水素エンジン」を搭載し、24時間耐久レースで完走したことは記憶に新しいところ。このマシンはGRヤリスのメカニズムが流用されていますが、水素タンクを搭載するスペースを確保するためにボディサイズの大きいカローラスポーツが選ばれた、という経緯があります。

トヨタは、脱炭素社会を目指して自動車メーカーが出す答えは「バッテリーEV」一択ではない、水素エンジンはその選択肢の一つであり、内燃機関を捨てずにカーボンニュートラルを実現することは可能だと発言しています。この耐久レースへの参戦は、そのアピールの一環でした。

カローラスポーツをベースにした水素エンジン搭載のレースカー。GRヤリスのメカニズムが利用されている

また、トヨタは、欧州市場で「GRヤリスH2」という水素エンジン仕様のコンセプトカーも発表しています。GRカローラの登場で、GRブランドが充実し、世界的なモータースポーツ活動に積極的に参加すれば、水素エンジン開発のアピールをより活発に行うことができます。GRカローラは、脱炭素社会に向けてバッテリーEV一辺倒の欧米諸国に対して切り込んでいく、力強い存在にもなるはずです。

もちろんメーカー側のメリットというだけではなく、GRカローラはユーザー側にとっても嬉しいモデルとなります。もしGRカローラが日本市場でも登場するとなれば、GRで初めての5ドアハッチバックとなります。乗車定員はベーシックなモデルから変更される可能性もありますが、後席ドアを備えたハッチバックは実用面で大きなメリットが得られます。ゴルフGTIやシビックタイプRなど、本格的なスポーツモデルが強力なライバルになってくるでしょう。GRカローラの存在がトヨタの新しい戦略の重要な一端を担うのか、今後の展開が楽しみです。

Text:MMM-Production,Tachibana Kazunori
Photo:TOYOTA
Edit:Takashi Ogiyama



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