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2021年ヨーロッパで最も売れたプジョー208の魅力はここにある

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

欧州Bセグメントカーは、「サブコンパクト・クラス」とも言われ、日本でいえばトヨタヤリスやホンダフィットなどのクラスとなります。日本でも非常に人気のカテゴリーですが、欧州でも「激戦区」と言われ、各メーカーとも力の入ったモデルを投入しています。その激戦区で、今年2021年上半期トップの販売数となったのが、プジョー「208」。プジョー208の魅力に迫ります。

 

■2020年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得

207の後継モデルとして2012年に発売が開始された、プジョー208。現行型は2019年にジュネーブモーターショーで発表されたモデルで、日本では2020年7月に販売が開始されました。

BセグメントとCセグメント、そして、ICE(内燃機関)とBEV(電気モーター)どちらにも対応できるという、柔軟性のある新世代のコンパクトカー向けプラットフォーム「CMP」を採用する208は、2代目登場時からガソリンモデルとEVモデル「e-208」を同時にラインアップ。欧州で一層厳しくなるCO2排出規制に対応しています。

プジョー208新開発のプラットフォーム「CMP」は、内燃機関エンジン、EVどちらにも対応できる

プジョーのアイコニックな特徴を取り入れた、鮮烈で大胆な未来感あふれるデザインに加えて、機能的で質感が高く、次世代の要素をふんだんに取り入れたインテリア。そして、クラスを超えた先進安全運転支援システムの搭載など、セグメントの域を超えたクオリティが評価され、欧州のカー・オブ・ザ・イヤー2020と、レッドドットデザインアワード2020を受賞しています。

 

■ライオンモチーフのエクステリアが特徴的

では、その詳細を確認していきましょう。208のボディサイズは、全長4095mm×全幅1745mm×全高1445mm(GTグレードは1465mm)、ホイールベースは2540mm。ヤリスやフィットと同じくらいの大きさですが、全幅が1700mmを超えますので、日本では3ナンバーモデルとなります。

エクステリアデザインは、全体的に塊感と凝縮感のあるフォルムで、フロントのフルLEDの三本爪(ライオンのかぎ爪)をモチーフとしたヘッドライトが特徴的。その下方に伸びる通称セイバー(サーベル)と呼ばれるデイタイムランニングライトは、高度な三次元のデザイン処理がなされており、見る角度によってさまざまな表情を見せてくれます。

サイドビューは、すっきりとした面構成ながらボリューム感のある造形で立体感を強調し、スポーティな雰囲気を演出しています。GT Lineグレードはグロスブラックのホイールアーチが装備され、タイヤを大きくワイドに見せています。

プジョー208三本爪をモチーフとしたヘッドライトやセイバーと呼ばれるデイタイムランニングライトが印象的。全体のフォルムも塊感があってスポーティ

インテリアで最も特徴的なのは、「3D-iCockpit」と呼ばれる3次元表示のメーター。これはデータの重要度に応じて表示の奥行きを変化させる表示方法で、手前の1層目には重要かつ安全に関する情報、2層目はそれに準ずる情報が表示されます。この表示方法により、ドライバーは情報に対して、約0.5秒、反応時間を短縮する効果があるそうです。

3D-iCockpitの3次元表示のメーター。一層目には重要な情報、二層目にはそれに準ずる情報といった具合に、奥行きのある表示方法とすることで安全性を高めている

シートは、GT Lineグレードにアルカンタラ&テップレザーの質感の高い表皮を採用し、モダンなデザインと快適性を両立させています。また後席の頭上まで広がる「パノラミックガラスルーフ」もオプション設定されています。

 

■ガソリン、EVを選べる2つのパワートレイン

ガソリンモデルに搭載されるエンジンは1.2L 直3DOHCターボで、最高出力は74kW(100ps)/5,500rpm、最大トルクは205Nm/1,750rpm、トランスミッションは電子制御8速ATで駆動方式はFF、WLTCモード燃費は17.9km/Lというスペックです。

プジョー208ガソリンモデルには1.2L 直列3気筒のターボエンジンが搭載される

また、EVモデルに搭載されるモーターは、最高出力100kW(136ps)/5,500rpm、最大トルクは260Nm/300-3,674rpm、駆動用バッテリーの総電力量は50kWh、WLTCモードでの一充電走行距離は380kmとなります。

プジョー208EVモデルも用意される。一充電あたりの走行可能距離は380km

安全装備は、プジョーのフラッグシップである508に肉薄する充実したシステムを搭載。基本機能は全グレードに標準装備されており、ほとんどの場合はオプション追加が必要ないというのもポイント。最新世代の「アクティブセーフティブレーキ(夜間検知対応)」、「アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)」、「レーンポジショニングアシスト」、「レーンキープアシスト」、「アクティブブラインドスポットモニターシステム」など、充実した装備が含まれています。

プジョー208もちろんUSBポートも装備で現代のデジタルライフスタイルに対応する

現代のクルマには必須装備であるUSBポートは、センターコンソールに設置。インフォテインメントシステムとスマートフォンとの連携もできます。

 

■ほどよい個性と、過渡期に対応したパワートレインで高評価に

コストに制約のあるコンパクトカーの場合、ライバルとの差別化が図りにくく、画一的な印象になりがちですが、208はその中でも存在感を出し、人気となっています。

プジョーは近年、ライオンのカギ爪をモチーフとしたデザインを積極的に取り入れていますが、カジュアルなイメージの強いBセグメントにおいては、この生命感あふれるスポーティなアイコンが効果を発揮しているように感じます。あまりにも個性が強いと敬遠されてしまいますが、208はそのあたりうまく仕上がっていますね。

プジョー208

また欧州の電動化戦略に適合させながら、ガソリンモデルもリリースし、この過渡期の状況にうまく対応しているというのもポイントでしょう。一つのプラットフォームを採用することで走りの性能の差を小さくし、どちらのパワートレインを選択してもプジョーらしいハンドリングを楽しめるというのは、ユーザーにとって嬉しいこと。

208の価格は、1.2Lガソリンターボモデルは、Alluleが269万円、GTが305.9万円(※最廉価255.7万円のStyleは受注生産のため除外)。またe-208は、Alluleが398.9万円、GTが435.8万円です。ナビゲーションシステム(23万6500円)はオプションですが、前述のとおり、ストップ&ゴー機能付きのアクティブクルーズコントロールや、レーンポジショニングアシスト、レーンキープアシスト、また、Apple Car PlayやAndroid Autoなどは標準装備です。

輸入車ですので国産車のライバルと比較すると値段は高くなりますが(ヤリスの1.5ガソリンCVTモデルは159.8~197.1万円と100万円ほどの差がある)、その価値がある一台と思えてなりません。街中が優等生ばかりではつまらないですものね。

Text:Tachibana Kazunori
Photo:PEUGEOT
Edit:Takashi Ogiyama

プジョー208の公式サイトはこちら



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