レクサスで最も売れているSUVが「RX」だ。レクサスSUVラインナップのなかでも、ボディサイズが大きいRXだが、その立派なボディサイズが「レクサス」というブランドイメージにぴったりで、現行型は2015年10月の登場と、6年目を迎えたモデルであるが、いまも堅調な売れ行きを見せている。
レクサスのSUVといえば、RXよりもひとまわり小さい「NX」が2021年10月に新型登場となり、フラグシップSUVである「LX」もフルモデルチェンジが発表となっている。次はRXの番だ。次期型RXはどのような姿になるのか、新型NXや新型LXから、次期型RXの姿を想像してみよう。
■エクステリアは堅実な意匠変更程度か
まず、エクステリアに関してだが、細部の修正で磨き込んだ新型NX、モダンでスタイリッシュに進化した新型LX、どちらも堅実な意匠変更であったことを考えると、次期型RXも、現行型のキープコンセプト路線をなぞると思われる。L字ラインの入ったLEDヘッドライト、スピンドルグリル、バンパーサイドのエアインテーク、フェンダー周辺の処理など、レクサス共通の意匠は、もちろん継承してくるはずだ。
ただ、レクサスは2018年に、ポルシェカイエンやランボルギーニウルスといった、名だたるラグジュアリーSUVと戦うことを目指したというコンセプトカー「LF-1 Limitless」を発表している。次期型RXでは、この「LF-1 Limitless」の要素が盛り込まれてくることも考えられ、かなり斬新なエクステリアで登場することも期待できる状況だ。
■ボディサイズは現行同等、懸念の小回り性能も変わらずか
現行RXのボディサイズは、4890×1895×1710(全長×全幅×全高)mm、ホイールベース2790mm。2017年12月のマイチェンでは、リアオーバーハングを110mm延長して3列目シートを追加したRX450hLも登場している。冒頭で触れたように、このボディサイズは現行RX最大の強みであり、次期型でも同等のサイズで登場するのは間違いない。
注目なのは、現行RX最大の弱点といえる「小回り性能」だ。現行RXの最小回転半径5.9m(FF、AWD共通)。これはなんと、2021年6月に登場した、現行300系ランクルと同じ。長めのホイールベースと大径タイヤが原因と思われるが、この大きさだと、狭い駐車場などではかなり取り回しに苦労する。ただ、NXが先代は5.6m(18インチ)だったのに対し、新型では5.8mと大きくなっていることを考えると、レクサスとしては、小回り性能は重視しておらず、次期型でも改善される可能性は低いのかも知れない。
■トップグレードにはプラグインハイブリッドが
また、パワートレインに関しては、新型NXで採用された、18.1kWhのリチウムイオンバッテリーのプラグインハイブリッド、そしてRAV4やハリアーでもお馴染みの2.5Lハイブリッド(FFとE-Four)、そして2.5L NAガソリン(FFとE-Four)だと考えられる。新型NXでは、新開発の2.4L直4ガソリンターボもあるが、RXの華麗なキャラクタに相応しいのは、新開発のターボではなく、直4 NAエンジンだ。
ひょっとすると、つい先日の10月29日に発表されたクロスオーバーSUVのバッテリーEV「Bz4X」のようなグレードが登場するかもしれない。
■レクサス最量販SUVに相応しい装備がふんだんに
新型NXでは、14インチワイドタッチディスプレイを、新型LXでは、12.3インチ大型タッチディスプレイと、7インチディスプレイが装備されている。次期型RXでも、NXと同等以上の大型タッチディスプレイが装備されるのは間違いない。
レクサス最量販SUVであるRXには他にも、レクサスESから導入されたデジタルアウターミラーや、ハリアーに搭載した調光パノラマルーフ、そして新型LXの指紋認証システムなど、レクサスの最新技術の数々が、惜しむことなく盛り込まれ、非常に気合の入ったモデルとなることが予想される。
次期型「RX」の姿が確認できるのは、2022年から2023年ごろの見込み。ラグジュアリーSUVを検討している方は、もう少し、待った方がいいかも知れない。
Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:LEXUS
Edit:Takashi Ogiyama