春になるとローファー履きたくなりませんか?
花粉が猛威を奮い、突然のポカポカ陽気が訪れたと思ったら、いきなりの寒の戻り…。とは言え、来週からは3月。春の足音は確実に近づいている感じです。
そこで、あなたの靴を見せて頂こう企画、通称「靴魂(くつたま)」でも春らしい空気を汲み取って、第25弾はローファーをピックアップしてみようと思います。
ローファーは「loafer」と表記し、「怠け者・ならず者」という意味なのは有名なお話。その名の通り、本来靴紐を結んで履くべきだったものを、靴紐をなくしても手軽に履けるように仕上げた靴(スリッポン)のことを指します。
かつて、英国の王室や貴族階級が室内履きとして使用していたルームシューズが、その利便性から外履きでも履かれるようになって人気となり、一般社会へも浸透していきました。
後に、ローファーはアメリカへと渡り、1936年にメイン州のジョン・R・バス(John R. Bass)が手がけるシューズブランド「G.H.バス(G.H.BASS)」が、ノルウェーのスリッパ タイプのモカシンを元に「ウィージャンズ(Weejuns)」と名づけたローファーを販売し、大流行。
1950年代には学生たちが、「ウィージャンズ」の切れ込み部分に 1セントコイン(ペニー)を差し込んだのがファッションとなって大ブレイクし、アイビーリーガーのスタイルに欠かせないアイコンとなり、その流行は日本へも飛び火します。そこからの波及については 皆さんの知る通り。
では、話をクルリンパと戻して ローファーの投稿から素敵な5選をご紹介していきましょう!
エドワードグリーンのコンビローファー「デューク」
まずは、@naniwanoitarianさんの投稿から。
エドワードグリーン(EDWARD GREEN)のコンビローファー「デューク(DUKE)」です。
そのモデル名の由来には、ウィンザー公(エドワード8世)が関係しているというローファーは、エレガントで端正な佇まい。ラスト(木型)には #137を採用しています。
英語表記では「HAZEL」という、日本では榛(はしばみ)と呼ばれる色は、くすんだ赤みのある黄色だったり、黄色がかった薄茶色だったり、シェークスピアが『ロミオとジュリエット』と中で瞳の色として表現した美しいカラー。
そこに、コンビで白が加わるので、爽やかな雰囲気が漂います。
@naniwanoitarianさんはブラウンを基調にしたコーディネートが渋いですが、これが春になると どんな風に変化するのか大いに興味あり。また暖かかくなってきたら、ぜひ違った着こなしを披露してください!
タニノクリスチーのコインローファー
続いては、@stranji_giraffeさんの投稿。
今は無き名門、タニノクリスチー(TANINO CRISCI)のコインローファーです。
1876年、イタリア・ミラノにてタニノ・クリスチーによって設立されたシューズブランド「タニノクリスチー」。
ブランド設立時に乗馬用のブーツを生産していた名残から、ブランドロゴには乗馬の絵も描かれています。イタリアのブランドらしい優雅なデザインと履き心地の良さを誇りとし、4代にわたってブランドの看板を守ってきましたが経営難に見まわれ、残念ながら2011年にはブランドが終了しています。
イタリア靴らしく、しなやかで柔らかい履き心地、さらに革質の良さも評判で、ブランドがなくなって10年を迎える今でも探し求める方が多いと聞きます。
@stranji_giraffeさんは春を先取って、素足にローファースタイル! 素敵です。暖かくなるにつれて よく見かけるようになるスタイルですが、先駆ける姿勢に拍手。今後は春らしいコーディネートを靴と一緒にポストして頂けると嬉しいです。
パラブーツのローファー「オルセー」
続いては、 スコッチグレインの回にも登場いただいた@kutsu104さんの投稿。
奥様が履かれているパラブーツのローファー「オルセー(ORSAY)」です。
パラブーツを代表するチロリアンシューズ「ミカエル(MICHAEL)」を、ローファーのデザインに落とし込んだのが、「オルセー(ORSAY)」。
アッパーに使われているリスレザー(Lisse Leather)は、オイルの含有率が高く光沢のあるカーフで雨に強く、頑丈で劣化も少なく、悪天候など あらゆる環境に適用できるのが魅力です。
アッパー・ウェルト・アウトソールをしっかりと縫い付けるノルウェイジャン製法なので耐水性も高く堅牢で、中底に敷き詰められたコルクが通気性を高めます。
さらに、ラバーソールなので濡れた路面でも滑らず、かつクッション性に優れ、擦り減りにくく快適な履き心地を約束してくれます。
夫婦でとは言え、女性の投稿があるとアガるのですが、お揃いでパラブーツのノルウェイジャン履くだなんて嫉妬しちゃいそう(笑)。ホント素敵すぎます!
ノルウェイジャンは、履き始めはとくに硬く、重いので女性にはハードルが高い靴だと思いますが、それを夫婦で楽しめるなんて、靴好き男性には理想的。今後も末長くお幸せに! そして また仲睦まじい証として夫婦ポストも楽しみにしています。
ジョセフ チーニーのロファー「ハワード R」
次にご紹介するのは、エドワードグリーン、ジョセフ チーニーの回に続いての登場となる@to_ppo_さんの投稿。
ジョセフ チーニー(JOSEPH CHEANEY)のローファー「ハワード R(HOWARD R)」です。
英国靴らしい丸みを残したクラシカルなコインローファー「ハワード R」は、ラスト#5203を採用しています。
華厳…ではなく「ケンゴン II R」同様に、アッパーには撥水性のあるウェインハイマー社のグレインレザーを使用していますが、「ハワード R」の方がオレンジが強いですね。
定番ローファーの「ハドソン」に比べると、サドルも太めで、かかと周りにまでコバがあるオールアラウンドヒールの仕様になっているため重厚で、カントリー感も強め。ラバー製のダイナイトソールを履いているので、天候を気にすることなく履けます。
「ケンゴン II R」とともに どんな風に経年変化していくのか楽しみなので、また履き込んではケアして その様子を投稿してください! 楽しみにしています。
エンツォ ボナフェのクロコローファー「ART. 3818」
最後は、#靴魂、#腕時計魂の常連! @sartoria9177さん。
エンツォ ボナフェ(Enzo Bonafe)のクロコダイルローファー「ART. 3818」です。
創業者エンツォ・ボナフェが「ア・テストーニ」で経験を積んだ後の1963年に自身の名を冠して創業した「エンツォ ボナフェ」。丁寧なハンドソーンウェルト製法で作られているのが特長です。
マッケイ製法で、中底は約4mmの厚口でコルクの役割も果たしていますが、アッパーには最高級マットベビークロコダイルのしなやかなショルダー部分を使うことで屈曲性も良く、足馴染みも早いのが魅力です。
@sartoria9177さんは,、J.M.ウエストンの180ローファーでクロコを持っているのは知っていましたが、まさか弟がいたなんて!(笑) そりゃ #クロコダイル魂 も誕生しますよね。ノーズが長いと抜群に存在感ありますね。
今後 エキゾチックレザーは獲れなくなり、ますます貴重になりますから、気になったら即購入するのが正解。それが熟練の職人手がける靴ブランドのものなら、貴重度は倍になりますから迷っている時間はありませんよね。
@sartoria9177さんの靴コレクションも見事なので、シュークローゼットを覗いてみたい! 退院なされて体調良い状態が続いているようなら突撃してみようかな…。
いくら「怠け者」と呼ばれようが、やっぱり暖かくなるとローファーが履きたくなりますよね。湿気がなければ、素足でも履きたい! 今回紹介した以外にも素晴らしいローファーは数多あるので、ぜひ気になる一足をゲットして、春を先取りしてしてみませんか?
それでは、本日はここまで。是非これからも ドレスシューズに限らず、ブーツやスニーカーなどなど、みなさんの愛用靴を「#靴魂」を付けて たくさんポストしてください! 女性も大歓迎!! 新
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投稿に関してですが、撮影の仕方は自由。靴のみ、履いている足元、その靴を中心としたコーディネートなどなど、靴が写っていれば何でもOKです。ぜひご自慢の一足をインスタグラムに投稿してください。もしかすると あなたの投稿を取り上げるかもしれません。
それでは次回の「あなたの靴、見せてください」もお楽しみに!!