FORZA STYLE シニアエディター
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。
気がつきゃ、既に第4回目を迎えた、あなたの靴を見せて頂こう企画、通称「靴魂(くつたま)」。週に100件オーバーのペースで投稿数が増え、670件を超えました! さまざまな靴ブランドやビスポーク、スニーカーなんかも投稿頂き、どのブランドをピックアップすべきが悩むという嬉しい悲鳴。靴絡みの面白い企画も発表できそうですので、そちらはまた別の機会にお知らせしますね。
ということで早速、今週もみなさんの投稿を厳選してご紹介していきたいと思います。
第4弾は、再び英国靴へ戻って、エドワードグリーン(EDWARD GREEN)! イギリス・ノーザンプトンに拠点を置く紳士靴の名門ですね。
1890年に創業者エドワード・グリーン氏がノーザンプトンに工房を設立。3人の息子とともにミリタリーブーツなどをメインに紳士用の靴を手掛けるところからブランドはスタートします。
ところが…、1970年代には経営難に陥り、米国資本になるなどの不遇を時代を経て、破綻寸前に。そこに手を差し伸べたのが、イタリアの靴デザイナー、ジョン・フルスティック氏。1983年にブランドを買い取って再建させ、快適な履き心地のドレスシューズを完成させます。
ブラック一辺倒だった英国靴に、手染めしたブラウンのシューズをラインナップさせたことで、大きな人気を得ることになったそうです。この辺はイタリアでの経験が役に立ったのかもですね!
しかし、また受難が訪れます…。エドワードグリーンは、ジョンロブのために革靴を制作していたのですが、その靴づくりのクオリティをジョンロブの親会社であるエルメスがお気に召し、買収話に発展。最終的にはエルメスに自社株を売却することになり、創業以来育んできた工場と職人、木型なども手放すことになります。
そこから再度 不遇の時代に突入。他ブランドの靴づくりなども多く手掛けることで なんとか生き残り、現在の地位までのぼり詰めます! 不屈の闘志は素晴らしい!!
残念なことにジョン氏は、2000年3月に突然の死を迎えてしまうのですが、彼の右腕を務めていたヒラリー・フリーマン女史が跡を継ぎ、現在も多くのファンに支えられているのです。
では、話をクルリンパと戻して エドワードグリーンの素敵な投稿5選をご紹介していきます!
まずは @to_ppo_さんの投稿から。
Uチップと言われて真っ先に思い浮かぶモデルが、この「ドーバー(DOVER)」。モカ部分のスキンステッチが、なんとも特徴的ですよね。
革の内側を手で縫い進めていくスキンステッチは、良い革でないと裂けてしまったり、つま先の釣り込みを手で行わなければならないため難易度が高く、熟練の技が欠かせません。
「ドーバー」には、エドワードグリーンを代表するラストで、全体的に丸みがあり、幅広で甲も高く、かかとがやや小さめな「#202」と、ラウンドトゥでありながら細身でシャープな「#32」がありますが、写真から判断すると…、ジョイント部がやや広がって見えるので「#202」でしょうか?
15年以上履かれているというチェストナッツは なんともイイ色に育っており、羨ましい限り。メンテナンスの道具もキッチリ揃えられていて、靴への愛情を感じます!
素敵な靴や時計をたくさんお持ちなので、今後の投稿も期待しております。
次にご紹介するのは、@shoes451さんの投稿です。
こちらもエドワードグリーンを代表する、セミブローグのモデル『カドガン(CADOGAN)』。ラストは「#202」、ダークオークアンティークですね。
手仕事で施されたメダリオンはとにかく丁寧で美しく、ダークオークだと陰影も手伝って一瞬で目を奪われてしまいます。磨きが加わると、さらに倍!ですかね。
タグを拝見すると、手作業で蝋を染み込ませて時間をかけて乾燥させるため耐久性に優れ、結んだときに綺麗なシルエットを描く紗乃織靴紐に変えているようですし、靴磨きもしっかりなさっているようで 靴愛を感じます。
たくさんの靴を投稿してくださっているのも嬉しいです。引き続き、さまざまな投稿を楽しみにしています!
続いては、@masayukimasayukiさんの投稿。
こじラグ谷中も愛用している「ウエストミンスター(WESTMINSTER)」、ダブルモンクの名品ですね。
ただ、カラーリングがヤバい! メイドトゥオーダー(MTO)でオリーブグリーンを選んで、しかも同色のベルトまで合わせているなんて相当熟練した強者、と思ったら他にもたくさん名品をお持ちなんですね。さすがです。
MTOだからこそ、少し遊んだ感じのモデルにチャレンジするなんて相当なオトナ! 見習いたいです。
こじラグは「#888」ラストを履いていますが、ラスト「#82」は一番幅が広く曲がる場所であるジョイントから つま先にかけて大きくカーブしていて、シャープな印象でエレガント! とても美しいです。
大切にしすぎて、あまり履けていないとありましたが、今後はたくさん履いて頂いて、その成長の過程をぜひ拝見させてください。楽しみにしています!
続いて紹介するのは、@sartoria9177さんの投稿です。
なんとも珍しい! サウスウォルド(SOUTHWOLD)。スタッフの方が履いているのしか見たことありませんでしたが…、内羽式でシューレース部分を囲うアデレードのウィングチップはエレガントですし、イイ意味でエドワードグリーンっぽくなくて新鮮です。
「ガジアーノ&ガーリング」のトニー・ガジアーノ氏が、かつてエドワードグリーンに在籍していた2002年に完成させたラスト「#888」は、捨て寸が長めなスクエアトゥでモダン。このラスト好きなんですよねぇ〜。
@sartoria9177さんはジョンロブ編に続いての登場となりますが、本当に素晴らしい靴をたくさんお持ちですし、それが故にちょっと珍しいモデルまで手に入れて、巧みに履きこなしていらっしゃる。こんなオトナにシビれる! あこがれるゥ! 今後も楽しみにしております。
最後は、@hirokikwseさんの投稿です。
これまた驚き、内羽根式のプレーントゥ「カーネギー(CARNEGIE)」なんですが、パテントとは…。パーティへ履いて行かれたとのことなので、完璧すぎますが、いまの日本に夜間の宴のためにパテントの靴を用意できる方が何%いるのか……。あぁ 感服です!
カーネギーには「#88」ラストもありましたが、「#82」の方がエレガントに見えますね。
どんな着こなしで合わせていたのか とても気になりますので、チャンスがありましたら今度はコーディネートを拝見したいです。
いや〜、ジョンロブも良かったんですが、やっぱりエドワードグリーンも素晴らしいですね。ただ不思議に思ったのは、ブランドを代表する「チェルシー(CHELSEA)」の投稿が ほぼ皆無だったこと…。
ビジネスやフォーマルなシーンといえば、最初に名が挙がるのが「チェルシー」だったのに、時代が変わったのか? はたまた あまりに定番すぎるが故に皆さんが投稿を避けただけなのか? 真意やこれいかに。このあと突然 投稿数が増えても面白いんですが(笑)。
是非これからも みなさんの愛用靴を「#靴魂」を付けて たくさんポストしてください! まずは4桁に乗せていきましょう!!
撮影の仕方は自由です。靴のみ、履いている足元、その靴を中心としたコーディネートなどなど、靴が写っていれば何でもOK。ぜひご自慢の一足をインスタグラムに投稿してください。もしかすると あなたの投稿を取り上げるかもしれません。
ありがたいことに 投稿数も日に日に増加していますので、インスタグラムにて #靴魂(くつたま)もチェックしてみてくださいね。
それでは次回の「あなたの靴、見せてください」もお楽しみに!!
Edit:Ryutaro Yanaka
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