最もフォーマルでベーシック! 見た目にもキリッと引き締まり、冠婚葬祭にも最適
あなたの靴を見せて頂こう企画、通称「靴魂(くつたま)」も盛り上がっておりますが、皆さん、靴にまつわる基礎的な知識を、女性目線でご指導頂きながら 学んでいく企画「靴のこと教えて、祥子先生」は ご存知でしょうか?
日々 靴魂にポストしてくださる方々は、靴をお好きで、いろいろ勉強なさっているでしょうから既知なことばかりかもしれませんが、やっぱり基本のキは大切!
というわけで、第23弾は基本に立ち返って、フォーマルな場に最もふさわしいキャップトゥ(ストレートチップ)の黒をピックアップします!
キャップトゥとは、つま先に横一文字に切り返されたデザインの靴なのでストレートチップなんて呼ばれたりする、オックスフォードという内羽根のモデル。最もフォーマルでベーシックな靴ですので、見た目にもキリッと引き締まりますし、冠婚葬祭に履いて行っても恥ずかしくない。
だいぶカジュアル化が進むビジネスシーンではありますが、やはりキメるときにはビシッと正装で、厳粛に望むなら黒のキャップトゥは欠かせないのではないでしょうか。
では、話をクルリンパと戻して キャップトゥの投稿から素敵な5選をご紹介していきましょう!
ミヤギコウギョウの「ベニバナ」
まずは、@shoelover_kooさんの投稿から。
宮城興業が手がけるレーベル「MIYAGI KOGYO(ミヤギコウギョウ)」のラインナップの中でも、人気を博すフラッグシップモデルであるストレートチップ「ベニバナ」です。
宮城興業と言えば、金子真氏が手がける 注目のシューズブランド「カルマンソロジー(CALMANTHOLOGY)」の生産を請け負っていることでも有名なメーカー。百“靴”争鳴企画では工場を訪れた動画を作成しております!
モデル名の「ベニバナ」は、江戸時代中期から山形の最上地方で盛んに栽培され、宮城興業の所在地である山形県の県花に定められている紅花に由来。 ミヤギコウギョウブランドの神髄ということで、この名が付けられています。
きめ細やかに走るステッチ、美しく伏せ縫いが施されたアウトソールなど、世界にも引けを取らない職人の技を感じることができます。
@shoelover_kooさんは、いつも綺麗に磨かれ、手入れの行き届いた靴を履かれていて、感心するばかり。海外ブランドばかりでなく、日本の革靴メーカーにもきちんと目を向け、愛用なさっている姿勢にも共感できます。きっと近い将来、日本の靴職人が世界で最も高く評価される日が訪れるのではないでしょうか。
これからもたくさん愛でられた美しい靴をポストしてください!
レイマーのストレートチップ
続いては、@akigara_shoesさんの投稿。
レイマー(RAYMAR)のストレートチップです。
レイマーは、アパレルブランドの靴をOEMで生産してきたサンレイが手がけるオリジナルブランドで、2014年にスタート。
原皮の高騰などで革靴の価格は右肩上がりな状況ですが、有名どころのタンナーの革を使い、9分仕立てのハンドソーンウェルテッド製法、ヒドゥンチャネルなどの仕様でも2万円台というロープライスで販売しており、リリースするたびに完売という状態が続いています。
@akigara_shoesさんのストレートチップもアノネイ社製のボックスカーフ、ボカルー(Vocalou) を使用したハンドソーンウェルテッドの9分仕立てなのに、税込み2万5900円の驚きプライス。
営業職で活躍なさっているので、いつも綺麗に手入れされた靴を履いていらっしゃいますね。ボカルーは厚みがあって丈夫な革なので最初は硬く感じますが、徐々に馴染んでくると思いますので、履いては磨きを繰り返し、良い状態に育て上げてください。
そして その様子も投稿してくださると嬉しいです!
ソフィス・アンド・ソリッドのストレートチップ「S801」
次にご紹介するのは、クロケット&ジョーンズの回にもご登場いただいた@kobon0725さんの投稿。
ソフィス・アンド・ソリッド(SOFFICE & SOLID)のストレートチップ「S801」です。
ユニオン・ロイヤルが、靴のセレクトショップ「トレーディングポスト」とコラボレートして 2003年にスタートさせたソフィス・アンド・ソリッド(SOFFICE & SOLID)。
ボロネーゼ式グッドイヤー・ウェルテッド製法という、イタリア式とイギリス靴の良い部分を兼ね備えた世界でも珍しい製法を取り、モダンでクラシックな英国調のデザインに仕上げているのが特徴です。
アッパーにはアノネイ社のベガノ(VEGANO)カーフを採用し、履き始めから包み込むような柔らかい履き心地を提供してくれます!
格安で手に入れたため、履き過ぎてボコボコにしてしまったそうですが、横浜・反町駅で靴のリペアを行うハドソン靴店で修理をすることで 再び命を吹き込まれて、見事に復活していますね。
最近は靴の修理においても素晴らしいお店や職人さんが増えているので、諦めて手放すことなく、修理して頂き、長く愛用できるのが嬉しい。サスティナブルな観点からも◎です。
さらに愛着が湧いている思いますので、これからも愛し続けてあげてください!
サントー二のストレートチップ
続いては、 @nishimu49さんの投稿。
サントー二(Santoni)のストレートチップです。
1975年にイタリア・マルケ州にて創業したサントー二は、伝統的なクラフトマンシップとモダンなイタリアンエレガンスが融合したブランド。
小さな高級紳士靴工房から始まって成長を遂げた現在も Made in Italyにこだわり、すべての靴は自社工場で職人の手によって作られています。こじラグ谷中も大好きな某メゾン「H」の靴をずっと手掛け続けてることから、その技術力の高さは証明できると思います。
こちらは15年前に購入したとのことですが、それを微塵も感じさせない見事な状態。元の靴の良さもありますが、きちんと手入れした賜物だと思われます。
ネイビーのスーツに爽やかなキャンディストライプのクレリックシャツ、そして靴と同じく15年モノだというシャルべ(Charvet)のソリッドタイの合わせも素敵です!
コロナでスーツをビシッと着る機会は減りましたが、やっぱりイイですよね。ぜひ今後も素敵な着こなしと綺麗に手入れされた靴の投稿をお待ちしております。
ジョンストンアンドマーフィーのキャップトゥ
最後は、@ksk_reoさんの投稿。
ジョンストンアンドマーフィー(Johnston&Murphy)のキャップトゥです。
はじまりは1850年、イギリスからの移民である靴職人ウィリアム・ダドレーがニュージャージー州に店を構えます。
同年 フィルモア元大統領に靴を製作して以降170年以上にわたり、歴代大統領の靴を手掛けてきたアメリカの雄。
1884年に ジェイムス・ジョンストンとウィリアム・マーフィーの2人が経営者になったことで、ジョンストンアンドマーフィー(Johnston&Murphy)というブランド名に。
ブランドが発祥したアメリカにて製作されたインポートのほか、日本人向けに製作されたラスト(木型)とハンドソーンウェルト製法で仕上げたトラディショナルライン(Traditional Line)や、独自開発した撥水レザーに微発泡ラバーソールを組み合わせたビジネスライン(Business Line)なども展開していました。
@ksk_reoさんのキャップトゥは、新卒時に初めてのグッドイヤーウェルテッドの靴として購入。靴擦れしながら履き、今では完全に馴染んだという記載がありましたが、どれくらい履かれているのでしょうか? いい感じに育っていますね。
他にもたくさん素晴らしい革靴をお持ちですし、どれもきちんと手入れされており革靴愛をヒシヒシと感じます。
これからも頻繁に投稿してくださることを期待しています!
最初の革靴として最適で、どんなシーンでもハズすことないキャップトゥ。基本の靴だけに ほぼどこのブランドでもリリースしていますが、少しずつ個性がありますし、履き込んでからの表情も絶妙に異なりますね。
おそらく一生付き合っていくモデルとなりますから、ぜひ自分に見合った一足を探し出して、しっかり手入れをしながら履き込んでみてください。きっと数年後には自分の歴史が刻まれることになると思います!
それでは、本日はここまで。是非これからも ドレスシューズに限らず、ブーツやスニーカーなどなど、みなさんの愛用靴を「#靴魂」を付けて たくさんポストしてください! 新たな目標は、#服魂に抜かれず、#腕時計魂に追いつくことです!!
ちなみにですが、会員登録して頂けるとコメントを書き込むことができますので、#靴魂に対するご意見や感想、「オレはココの靴が好きだー」「こんな切り口で靴が見てみたい」などなど奮ってコメントしてください。それから、インスタグラムの #靴魂(くつたま)を介して、皆さんが交流してくれたら、こんなに嬉しいことはありません。
投稿に関してですが、撮影の仕方は自由。靴のみ、履いている足元、その靴を中心としたコーディネートなどなど、靴が写っていれば何でもOKです。ぜひご自慢の一足をインスタグラムに投稿してください。もしかすると あなたの投稿を取り上げるかもしれません。
それでは次回の「あなたの靴、見せてください」もお楽しみに!!
Edit:Ryutaro Yanaka