「なんか不可解なのですが、私も夫のキャラ変モードにつき合ってしまうんですよね。『いい嫁』を演じるギアに自然に入っちゃうというか。それが我ながら気持ち悪くて仕方がない。いっさい自然体の自分たちでいられなくなるんです。プレイ、みたいな」
夫は、妻が文句も言わずキャラ変につき合ってくれることに甘えているのか、さらなる亭主関白ぶりを発揮していく。このメンタリティの背後にあるものは何なのか。そして、夫は自分がキャラ変している自覚があるのだろうか。
「去年はうちの下の子がまだ保育園に入る前で、凄く手がかかったんです。すぐにお兄ちゃんに泣かされてわあわあしたり、オムツを替えなきゃいけなかったりで」
義実家に泊まった日の夕方、かんなさんが子どもの世話に奔走していると、夫からお呼びがかかった。
「『おいお前さ、お客様じゃないんだから、お袋手伝えよ』と言われたんです。めちゃくちゃ驚きました。どのワードも夫の口から聞いたことがなかったからです」
数年前の帰省時にも、夫は自宅でのキャラと別の性格を演じていた気がするが、「おい」「お前」「お袋」といったワードは昨年初めて聞いたように思う、とかんなさん。
「なんかアップデートされていましたね、亭主関白キャラが。より高年層にウケそうなワードを出したり、私に対しての冷たい態度を強化したり……。本当に意味がわかりませんでした」
子どもがグズっている最中に、すぐ近くの部屋にある荷物を持ってこいと命じられカチンと来たかんなさんは思わず……
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