お盆休みを重要なイベントと捉えるかどうかは、ひとそれぞれだ。今年は南海トラフの影響もあり、二の足を踏んでいる人も多いだろう。親戚などが久しぶりに集う場では、個人の考えはさておいても、それ相応のふるまいが求められることが多いのも現実だ。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、帰省でのコミュニケーションについてこう指摘する。
「近ごろでは個人を尊重すべきという風潮が強まっているせいか、何らかの働きかけが『強要』と取られることを恐れ、場違いなふるまいに対して注意することも憚られるといったケースもあるのではないでしょうか。
また、子供や若年層がスマホやゲームへの依存を強め、リアルなコミュニケーションを敬遠する節があることに不安を覚えている人もいらっしゃるようです。確かに年中行事で親戚が集まる時くらいは、和やかに会話を楽しむといった心がけも必要ですよね」
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今回、お盆の帰省で困ったことについて取材をしていくと、帰省した息子家族を迎え入れた側の女性から話を聞くことができた。2泊滞在したうちのほとんどの時間をゲームに使って帰った息子の妻子にあきれてしまったという「今どき姑」である。
「こちらとしてはなかなか会えない孫やお嫁さんといろんな話をするのを楽しみにしていました。ですがフタを開けてみれば7歳の孫はおろか、お嫁さんまでもがとにかくゲーム漬け。これといった思い出も作れないまま帰っていきました」
こう話すのは現在61歳の内島朱美さん(仮名)。息子の妻は現在30歳。第二子を妊娠中だという。泊りがけでの帰省は実に4年ぶりだったそうだ。
「うちは娘2人と息子1人で息子が末っ子。長女は敷地内で別棟を建てて実質同居しているので、長女夫婦が大掃除や買い出しなんかも手伝ってくれます。
ですから帰省してくる子やその家族には特に何か手伝ってもらう必要もありません。ただ、それってかえって良くないのかなと今回考え直しましたね」