「先生を丸め込んだんでしょうね。まるでドラマのような展開に私も正直驚きました。とはいえ、ああそうですかと帰るわけにもいきません。こちらにも意地があります。ですから今回だけでなく、セクハラ、パワハラ、モラハラと思われても仕方がない言動が多く見受けられるとはっきり言ったんです」。
しかし立花親子は、そんな事実はないの一点張り。終いには明子さんに向かって、「東京に染まった年増が」と言い放ったらしい。
「世も末ですよね。こんなことがまかり通っている。権力にあぐらをかき、不正は揉み消し、少し意見をされただけでキレる。なんだか、やりきれない思いでした」。
結局、声を上げた明子さんだけが貧乏くじを引くことになってしまったのだ。それ以来、町内会の会合で話しかけてもそれとなく、無視をされるようになってしまったという。
「人気はあと半年ですから我慢をしますが、実は体調の悪い父からも少しお叱りを受けてしまいました。父自身、立花親子に対しては思うところがあるようでしたが、もう仕方のないことなんだと。諦めて黙っている方が得だというのです」。
悶々として過ごしていたある日、転機が起こる。
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