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【超異例】築25年の欠陥マンションを、丸ごと建て替え!巨大企業に打ち勝ったマンション理事長が「命を削って訴え続けたこと」

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「正直、欠陥を訴えるようなケースでの調停は無駄になることがほとんど。というのも調停員はすべて地元で選ぶのが原則としていることに加え、建築士としての知見や経験値の無い人物が多いということです。考えてみてください。地元で有力な企業が相手だったら?仕事がないような建築士調停員だとすれば、忖度につながることも容易に想像できます。調停員とはいうものの圧倒的な第三者にはなりにくいんです。これは人にも制度にも問題があるといえるでしょうね」。

時は刻一刻と過ぎ、佐々木さんが理事長という肩書きを失う瞬間が迫っていた。

「肩書きが何もなくなってしまったら、これまでの苦労が水の泡になりかねません。この頃には最後まで戦い抜く覚悟も決まっていたように思います。

とはいえ、それは正義感とか、使命感というよりは、疑問が大きかった。なぜ、傾いているのか?なぜ、そういう工事になってしまったのか?それが知りたかったんです。だって、原因がわからなければ改修しようにも対策が立てられませんから」

行政もまったく役に立たない。素人集団に、味方はいないのか?

理事会に掛け合い、特別棟理事という肩書きを新たに作り、佐々木さんが就任。 2018年以降も戦い続けることになる。

「次の手は裁判でした。ただ、それには弁護士や有識者が必要です。調停で身にしみてわかったことは、素人がいくら努力して資料を作ったとしてもなんの役にも立たないということ。

一級建築士の資格を持った人いわば、プロがいる、然るべき研究所や研究機関が発行したものでなければ、認められないというわけです。

そこで大学から、弁護会など、全国各地いろいろと探しましたがなかなか手助けをしてくれそうな人は見つかりませんでした。どこにいっても言われるのは、時効ですの一言。そんなことはこちらだってわかっています。

それでも戦って欲しいと言い続けましたが、結局誰もやってくれる人はいませんでした。建築に強いと評判の弁護士は、負ける裁判には挑まないんですよ。そりゃ、強いと言われますよね」。

この頃、佐々木さんは同時に県や市など、行政にもさまざまなアプローチをしたという。



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