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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「料理をほめられ、無許可で自家製販売するママたち…」食中毒が横行する「素人飯ビジネスの恐るべき実態」

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東京ビックサイトで行われたイベントで販売されたマフィンが今、物議を醸している。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「納豆のような臭いや糸を引いていたというんです。マフィンを食べた人が続々と体調不良を訴えており、食品衛生法違反の恐れから、回収対象となっています」。

目黒区にある「Honey×Honey xoxo」で作られたもので、回収対象となっているのは3000個。

厚生労働省の発表によると健康への危険の程度はCLASS1で、これは3つある分類の中でもっとも危険度の高いクラス。「喫食により重篤な健康被害または死亡の原因となり得る可能性が高い場合」とされており、フグ毒や毒キノコなどもこれらに分類される。

それにもかかわらず、11月14日現在回収率は0%。まだまだ被害が出る可能性も懸念されている。

「現在、InstagramやX(旧Twitter)は過去の投稿がすべて削除されています。ホームページやブログはまだ現存でそこからは、甘さ控えめの焼き菓子店であることや多くのイベントに出店していたことなどがわかります。離乳完了期の子どもから食べられると表記されていますが、幼い子どもであればさらに危険は大きいでしょう」。

恐ろしすぎる。食品衛生管理に問題があることは明白だ。

「食品添加物を加えていないからだという指摘も上がっていますが、それ以前の問題のようにも感じます。そもそも市販の焼き菓子が日持ちするのは、腐敗の原因となる微生物の発生、増殖を抑えているから。微生物はさまざまな種類があり、それぞれ好む環境は異なるものの水分は増殖に欠かせない条件です。砂糖はその食品中の水分を抱え込み、微生物が使えないようにする効果があります。ジャムや羊羹など、大量の砂糖が使われている食品が長持ちするのはこのためです。逆に言えば、砂糖控えめにするのなら、それ相応の対応をしないとならないということ。しかもこのマフィンは5日も前に作られていたというのですから、その点からも論外です。食品衛生は飲食店の基礎中の基礎。飲食店の開業や設置には食品衛生責任者の資格が必要なので、おそらく取得しているものと思われますが…」。

ここまで被害が大きくなっていることを考えると作業場の衛生環境にも疑問が残る。実は昨今、問題になりつつあるのが、プロ以外の人が作る食品だ。実は食品管理責任者の資格は、講習受講だけで簡単に取得できる。このため、営業許可が取得されているシェアキッチンなどを活用すれば、誰でも自分の店を持ち、食品を販売することができるのだ。

今回は気軽な気持ちで食品販売に手を出して、あわや大事故を起こしそうになったという女性に話を聞くことができた。

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©︎GettyImages

杉本光香さん(仮名・43歳)は、子ども2人と夫と地方に暮らしている。

「出産を機に一旦、仕事を辞めて専業主婦になりました。本当は仕事を続けたかったんですが、2人目が生まれる頃に夫の単身赴任が決まりました。親兄弟も近くに住んでいませんし、子育てをしながら、仕事復帰をするのは私には難しいと判断して、そのまま子育てに専念することにしたんです」。

ただ仕事への未練はずっと残ったままだったと話す。

「元々は一般企業で事務として働いていました。仕事はそこそこできる方だったと思います。退職するときもいつか戻ってきて欲しいと言われましたし。だから夫の単身赴任が決まり、復帰が絶望的になったとき、本当に落ち込みました」。

自分に価値がなくなった気がしたという。

「家で子育てだけしていると息がつまるんです。相談する相手もいなく、結構孤独でしたね。話し相手は子どもだけ。だから大人と話がしたくてたまりませんでした」。

そんなとき、公民館で行われているある講座を見つけたという。

「近所に住む料理研究家のお料理教室です。毎月、イベントに合わせたメニューをみんなで作ります。クリスマスとかお花見とか、夏のエスニックとか…。私にとってその講座が居場所になっていったんです」。

光香さんは、そもそも料理が得意だったと話す。

「若い頃から人を呼んでホームパーティーをすることもあるくらい、料理は得意分野だったんです。自慢じゃないけど、結構評判だったんですよ、私の料理。だから料理教室もあっという間に慣れて、色々任されたりすることも増えたんです」。

1年後料理研究家の先生は、教室の場所を自宅に移す。そのタイミングで光香さんはアシスタントにならないか?と誘われたんだという。

「すごく嬉しかったことを覚えています。自分にもできることがあるんだ!って。子どもが小学生に上がったタイミングもあり、先生の家に週に1〜2度出勤をして手伝いをはじめました」。

アシスタントとして1年勤めた頃のことだ。光香さんは先生にそれとなく独立を促されたという。

「先生が妊娠したこともあり、アシスタントを卒業することとなりました。ただ、私は何か資格があるわけではなかったので、料理研究家にはなれないと思ったんです。それに先生のような素敵な自宅もなかったですし…。そうやって躊躇していたときに提案されたのがフリーマーケットへの出店でした。

私はそれまで、料理研究家になったり、飲食店を営むには何か資格が必要だと思っていたんです。でも先生がもっていたのは、食品衛生責任者の資格だけ。しかもこれ、講習会の受講だけで取得できるんですよ。急に飲食業へのハードルが下がったような気がしましたね。もちろんすぐに取得しました」。

光香さんは先生の提案通り、フリーマーケットでのお弁当販売に乗り出す。

「家で作ったものを売ることはできないことはわかっていたので、どこか営業許可のあるお店を借りなくてはなりません。そこでママ友の夫が経営している居酒屋のキッチンを昼間の間だけ、借りることにしたんです」。

こうして準備は整った。光香さんはお弁当を毎回限定20食作って売ることにしたという。

「フリーマーケットは月に1度です。その度にお弁当を販売しました。初めは売れ行きが悪い日もありましたが、徐々にクチコミで広がり、半年もすると予約が取れるほどに!自分が認められたようで本当に嬉しかったですね。それで徐々に弁当の数を増やしていったんですが…」。

とはいえ、1人で作るのには限界がある。頑張ってもお弁当は30個以上作ることができなかったという。



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