こうして、SNS上でのメッセージだけの交際が始まった。文章だけのやり取りではあったが、思い出すと赤面してしまうような赤裸々な男女のやり取りを毎晩のように続けた。
すると間もなく、林田から次のようなメッセージが頻繁に届くようになったという。
「一度、ハワイにおいでよ。ホテルは取らなくていいよ。俺の部屋に泊まればいいんだから。どうしても君に逢いたいんだ」
相談者は、熱烈な林田からの誘いに応え、2週間クリニックを休業することにし、ハワイへと足を運ぶことに決めた。
しかし、そこには想像を絶する体験が待ち構えていたのだ。
日が落ちる少し前にハワイに着くと、相談者は真っすぐに、林田の営むボートハウスへと向かった。
その夜は、林田が彼女を歓迎するために招いた知人たちと遅くまで飲み明かした後、彼女はボートハウスの2階にある林田の部屋で、初めての夜を過ごした。
翌日目が覚めると、林田はすでに部屋におらず、簡単な朝食がメモと一緒にダイニングテーブルに置かれていたそうだ。
「目が覚めたら、ビーチに来て。イルカと一緒に泳がせてあげる」
林田と過ごす、ハワイでの幸せな生活は、このまま帰国するまでずっと続くものだと、相談者は信じた。自分の人生にもようやく春が訪れたのだと信じて止まなかった。
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