しかも、恵さんの母は自治体からゴミをどうにかするよう指導や助言を受けていたようだ。
そのことを家族に話さず、隠そうとしていた母に対し苛立ちが募る。
「私と妹、母の3人じゃ手に負えないので、私がお金を払って業者にお願いしました。外にあるゴミはトラックで回収してもらい、家の中は自分たちでできる範囲で行ったんです」
少しずつ片付けは進むが、きれいと呼べるにはまだ遠い。一部業者を雇ったが、この家のすべての物を捨てるには相当な時間と体力が必要だと悟る。
一階部分はどうにかなったのだが、問題は二階部分にある独立部屋の3部屋。物置部屋になっており「開かずの間」だ。
その部屋には、本や洋服、バックや古くなった家具が押し込められており、東日本大震災のときに買ったであろう防災水やインスタント食品の数々。どれも賞味期限は切れている。
無心になり物を捨てていくが、実家が汚いのを目の当たりにすればするほどため息が出ていたようだ。
それから数か月が経ち、家の中の不要品を捨てるためのゴミ袋は100袋分にも及んだらしい。
「すべてきれいにしたわけじゃないですよ(笑)。まだ二階にはいろんな物が押し込まれています」
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