一方で、娘の母親に対する態度には全く変化がなかったという。
「思春期とか反抗期は多くの人が経験することで、成長の過程として凄く正しいと思うんです。
ただ、徐々に来るのかと思ったら、本当に突然だったので、夫も私も心の準備ができてなかったんですよね」
きっかけのようなものも、何もなかったのだろうか。
「よく思い出してみたら、豹変する前日、娘はずっと好きだった男性アイドルのファンクラブに入ったんです。
その会員番号を知って、『正式にファンになった!』と喜んでいたことは覚えています。
その程度の出来事でも、娘にとっては異性を強く意識するきっかけになり得たのでしょうか。まあ、遅かれ早かれ何かのきっかけで同じようなことになっていたとは思います」
思春期の心の動きに理由を求めても仕方がないのかもしれない。
ますみさんはそう思い、夫が娘に冷たくされて落ち込んでいる姿を見るのがつらくても、何とかやり過ごしていた。
しかし、今年の母の日、ますみさんの心は乱れた。
母の日のプレゼントを貰った時、「来月は父の日ね」と子供たちに向かって言うと、他の子たちは頷いていた。
しかし長女だけが、「父の日っていらなくね?」と仏頂面で返してきたというのだ。
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