子どもが生まれて家が手狭になった、介護が必要な両親と暮らすことになるなど、今住んでいる家がライフスタイルに合っているのか気になる方もいると思います。掘り出し物が見つかったら迷わず買うべきなのか、まずは自宅を売却すべきなのか。住宅の買い換えにまつわる選択について例を挙げて解説します。
住宅の買い換えが進まない理由
国土交通省の令和4年度住宅経済関連データによれば、「今後または将来の住み換え・改善の意向」、できれば住み続けたいが60.6%に対し、できれば住み換えたいが19.7%となっています。また、「住み換えの課題」では、持ち家への住み換えで資金収入等の不足が60.6%と一番のネックとなっていることが分かります。
参考 令和4年度 住宅経済関連データ - 国土交通省(平成30年住生活総合調査)
住み換えたいという需要はあるものの、やはり資金面がネックになっているようです。住宅資金といえば、なんといっても住宅ローンの占める割合が大きくなります。家の売却価格が住み換える新居の購入金額に足りない場合は、自己資金や住宅ローンでまかなわなければなりません。 新居を買い求める際に、先に新居を入手する「買い先行」と、買う前にまずは持ち家を売却する「売り先行」で天国と地獄を見た例を紹介します。
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「買い先行」で、自宅に住みながら新居を買った鮎川さん(36歳・仮名)の場合
夫と小学校5年生ひとりの3人で2DKに住んでいた鮎川さん。新たに子どもを授かることになりました。2人目の子どもが大きくなれば、家は手狭になるかもしれません。そんなとき、駅の近くに手頃な分譲住宅が売り出されていました。子どもが通う小学校から近く商業施設も近くなるので利便性が向上することは間違いありません。普段からネットで価格チェックしている鮎川さんにとっても手の届かない価格ではありません。夫婦はチャンスと捉え、購入を考えました。今は不動産の売り手市場と聞くので、なんとかなるだろうと考えたのです。