バザー荒らしとは、高く転売できそうなものを狙って地域住民に紛れ込む輩のことだ。
バザー荒らしが出没するという噂が立ち始めた数年前から、利恵子さんの学区のPTA会長は近隣学区の役員たちと、その件でお互いに情報を共有するようになったという。
ある年のバザーで、ブランド物の陶磁器や子供服などばかりを大量に買っていった男の特徴が、周辺学区のPTAからの情報と一致した年もあったそうだ。
それ以降「転売目的のご購入お断り」の看板を掲げ始めたそうだが、効果のほどはいかに。
「そんな看板は気休めにもならないですよね。別に入場制限するわけじゃないんですから」
また、値付けなどをしている時に、先に買うものを選びたいと言い出す保護者もちょくちょく現れるのだそう。
「節操がないですよね。それを役得だからと許していた年もあったというんですから、情けない話です……」
会議は徐々にバザーの大変さや問題点ばかりが浮かび上がる状態となり、開催するかどうか迷うまでもないという空気になった。
「会議に参加している人全員、バザーやる意味ないんじゃない?という顔になっていましたね」
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