「この話を母にしたら、母は大激怒。そんな年下と付き合うからだの、デート代を奢るくらいの甲斐性がない男は男じゃないだの……。こっちはこっちでジェンダーなんてすっ飛ばした時代遅れの思想でげっそり。最近では、電話のたびに付き合う男の条件のひとつに奢ってくれる人と言い出す始末です。本当に最悪……」
奢る奢られる論争はこれまでも幾度となく議論されてきた。結論としていえば、その有り様は人それぞれである。しかし、ジェンダーやエイジハラスメントなど、社会問題をはらみ、また違った方向に展開することもあるのだ。
由希子は婚活をやめつつあるという。
「物価高に上がらない給料…こんな不安定ななかで最も曖昧な人間に頼るなんて、意味ないなって。婚活に注ぎ込んでいたお金はすべて投資にまわすことにしました。奢るのも奢られるのも、うんざりです」
取材・文 悠木律
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