帰り際、「ご主人様がいないことをいいことに、こんな遅くまですみませんでした。ご馳走様でした」というあたりさわりのない言葉を何とか絞り出した由紀。
「あ! ちょっと待って!」と部屋に戻り、玄関に戻ってきた上司の妻の手には、隆の好きなお煮しめの入ったタッパーと、衣類が握られていた。
「隆さんの好きなお煮しめ! 忘れているわよ~。それから、これ、洗っておいたから!」
そう言いながら、私を意味深な目でちらりと見て彼女が隆に渡したのは、由紀が隆に買ってあげた“下着”だった。
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