「も~隆さんったら。いつも美味しい美味しいって言って食べてくれて、本当に嬉しいの。ほら、あなたの好きなお煮しめを作っておいたから、よかったら持って帰ってね」
“隆さん” “いつも” “あなたの好きな” ”作っておいたから“
「奥様の言葉が頭の中で繰り返され、私はかなり動揺しました。でも、そんな私の状態など意に介さず、二人はおしゃべりに興じ、食事を楽しんでいました。まるで私はそこにいないかのように……。私の中に二人のただならぬ関係があるのではという疑念が生じ、そしてそれは、“ある出来事”で確信へと変わったのです」
RANKING
2
4
2
3
4