その日の夕飯のメニューは和食。まずは飯、汁、向付。飯はごはんもののことで、最初に登場し、汁はみそ汁、向付にはお刺身となます。続いて椀物、煮物、焼き物と続き、あとは預け鉢、お吸物、八寸、湯桶、香の物……まさに懐石料理のフルコースでした。
「驚きました。品数の多さばかりでなく、そのお味の良さといったら……もう感動しました! 味だけではありません、盛り付けや器のセンスも素晴らしく、『美味しいです!』という言葉を何度言ったか(笑)」
「だろ? 美味しいだろ~。俺もいつも食べさせてもらっているんだよ」
「私の奥様のお料理への賛辞に呼応するように発した隆の言葉や言い方が、まるで自分の妻が作ってくれている料理を自慢する夫のように感じました。でも、それ以上に驚いたのは、奥様の発言だったんです」
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