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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】「優しい夫が実の母の背中を……」姑の介護に翻弄される中年夫婦が迎えた悲惨すぎる結末

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千枝はなぜ私が有料老人ホームなんかにはいらなきゃならないの! の一点張りで、資金を貴子たちが出すといっても、週1度は逢いにいくと言っても首を縦に振ることはなかった。しかし、千枝が施設に入ってくれなければ、永遠に貴子か夫のどちらかが仕事を休み続けなければならない。それだけは避けたかった2人は、仕方あなく、千枝を自分たちのマンションに呼び寄せることにしたという。

「実家は古い2階建てなので、移動だけで大変。トイレもお風呂も狭いし、介護には難しいと判断しました」

しかし、実家を出るということが千枝の怒りにさらに火をつけた。

「思い出の家を出ろというのかと。そのときの怒り狂った顔は今でも忘れません」。

「おまえは私から光良を奪った。光良は私を蔑ろにするのはお前に洗脳されているからだ。お前と光良が結婚したのが、悪夢の始まりだ……」

千枝はありとあらゆる言葉を使って貴子を罵倒し続けた。その姿を見て夫は千枝にさらに激怒。

「本当にどうやって毎日生きていたのか覚えていないくらいです。その頃には私は在宅勤務に変えていましたが、それでも仕事が追いつかず、いよいよ休職しようか考えていました。何よりも大好きな仕事までなくす恐怖もあって、こちらの情緒もかなり不安定になっていたと思います」

千枝の症状も悪化の一途をたどっていて、その頃には徘徊をしたり、粗相をすることも増えていたという。そんなある日、おねしょ予防につけたおむつを自分で外し、案の定、朝方粗相をして千枝が泣き叫んで、貴子を呼んだときのことだった。

「4時くらいだったかな、朝の。春先でその日はまだ寒くて、辛いなと思って起きたことを覚えています。千枝さんの部屋に行くともうすでに夫がいたんです」

夫は千枝におむつを履かせるとそのまま千枝の手を引いて、ベランダにつれていったという。そしてあろうことか鍵を締めたのだ。



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