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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「どうせ女目当てだろ?」「志村けんみたいな?」いま、密かなブーム。バレエにのめり込む中年男たちへの「根深い偏見」

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

今、成人男性の習い事として「バレエ」がひそかなブームとなっている。『会社帰りのパ・ド・ドゥ』という漫画は35歳の男性会社員が主人公。レビューを見ると、仕事の後に人生で初めてバレエをはじめた男性の新鮮な驚きや、徐々にバレエというものにハマっていく姿に、共感するという男性の声がちらほらある。

今回はそんなバレエにのめり込んでいった1人の男性を詳細にレポートする。

※この記事は、ライターが取材した実体験を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。

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「日本のバレエ事情について研究している昭和音楽大学バレエ研究所というところでは、男性のバレエ学習者が2011年から増加傾向にあるという調査結果をあげています。2011年にはバレエ学習者の1.1パーセントしか男性でバレエを習う人はいなかったのですが、2021年にはバレエ学習者全体の3.1パーセントが男性という結果が出ています」

そう話す由里子さん(仮名)38歳は、スポーツジムを経営している。彼女のジムにはヨガやエアロビクスなどのクラスだけでなく、バレエのクラスもある。彼女は常に世間のニーズを確認しながらクラスを新設したり減らしたりしており、「男性のバレエが今きている」というのが彼女の読みだ。

「実はうちの夫もバレエにハマっている男性の一人です。私より5つ年上の43歳ですがバレエをはじめて3年の間にかなりスレンダーになり、身のこなしもしなやかになりました」

そう話す由里子さんのご主人健吾さん(仮名)がバレエにハマったのは、新型コロナウィルスが流行し緊急事態宣言が発令されたころだ。
仕事一筋で、趣味は「取引相手と行くゴルフかな。」という感じだった健吾さんは、リモートワークしかない日々に時間を持て余した。

その頃由里子さんはジムに来られなくなった会員さんたちのためにオンラインレッスンを提供し始めていたので、時間を持て余してイライラしている自宅待機中の健吾さんにも、体験してもらうことにしたのだ。

©Getty Images

「オンラインレッスンのいいところは、普段ならうちのジムに来てもらえないような超有名なバレエダンサーやインフルエンサーインストラクターの方にもレッスンをおねがいできるところ。SNSなどを通じて依頼すると、もちろんギャラはお支払いしましたけど、結構いろいろな方が快く引き受けて下さって、その中に、45歳の男性バレエダンサーの方がいらっしゃったんです。

バレエ団は退団されていましたけど、まだまだ現役でたくさんの舞台に立っていらっしゃるその方はとにかくカッコよくて。女性の会員さんたちが一気にファンになったのはもちろんのこと、うちの夫や受けるレッスンがあまりないからとその男性ダンサーの方のレッスンを受けられた男性会員の方々もその方に夢中になりました。うちの夫は若い時にアイドルに憧れてそのモノマネをしていたタイプ。他の男性会員さんの多くは筋トレをしてカッコいい身体を目指しているタイプ。

どちらも『カッコいい男性』にたいする反応は同じで、『あの人みたいになりたい!』って思ったみたいです。」

由里子さんはそう言って笑った。

「その男性ダンサーの方は、レッスンの講師などをすることにも慣れていらっしゃったのでお話もとても上手でした。バレエ業界の裏話なんかをおもしろおかしくお話されたり、モデルもやっていらっしゃる男性ダンサーを紹介してくださったりしていて、受講者は女性も男性も『バレエを実際見に行きたくなった。』『バレエという新しい世界を知った!』って大喜びされていました。

その方のお話の中で特に心に残っているのは『バレエは女性のものだと勘違いされがちですが、男性がいなければ成立しません。』というお話でした。『女性が美しく踊るサポートをするだけでなく、バレエには男性しかしない技や動きがたくさんあります。

男性だからこそできることも多いので、身体が固いからとかやったことないからという理由でやめてしまわずに、もっと多くの人にバレエをしてほしいですね。』と言って爽やかに笑うその方の言葉で、私はひらめきました」



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