昨今、不倫はけっして珍しいものではない。「ジャパン・セックスサーベイ2020」によると、男性の6~7割、女性は4~5割が不倫経験者という結果が出た。
また、本来なら「お忍び」が当たり前であった不倫も、どうやらそうではなくなりつつあるらしい。男女の恋愛事情から現代の世相を切り取ることをライフワークとしている筆者が、久しぶりに仰天させられたのが、ある医師によるあまりに大胆な「不倫の手口」だった。
・・・・・・・・・・・・・・・
取材に応じてくれたのは、都内で眼科クリニックを経営する橋田和夫さん(仮名・58歳)だ。父親の跡を継ぐ2代目で、書籍も出しているベテラン医師である。
彼は同い年の妻と20代の娘との3人暮らし。家族仲は良く、年に一度は海外旅行を楽しむという裕福な家族である。妻は専業主婦だが、セレブ妻ゆえ、エステに行ったり、フラワーアレンジメントの教室に通ったり、女友達と観劇やランチ会を楽しんだりとアクティブに過ごしている。もちろん夫をサポートすべく、健康的な食事を作り、家事も完璧にこなしているという。
一見、幸せそうに見える家族だが、和夫さんには2年越しの愛人がいるという。お相手の女性について訊いてみた。
「不倫相手の佐代子(仮名・44歳/美容関係)とは地元が一緒で、行きつけの居酒屋で顔を合わせるだけの仲でした。そのうち『よく会いますね』なんて話すようになったんです。バツイチの40代女性ですが、美容関係者だけあって若々しく、いつも綺麗にしていてね、セミロングヘアとエキゾチックな顔立ち、加えてスリムなスタイルが男心をそそって……僕のほうから接近していったという感じですね。
僕が眼科医だと明かすと、『実は私、花粉症で目がかゆくて』と僕のクリニックにも来るようになって……呑み友達プラス患者さんという関係から始まったんです」
そんな2人はいつしか男女の仲になった。
「きっかけは単純です。会社でトラブルがあったらしく、居酒屋で佐代子の酒のピッチが上がっていたんです。常連客も『佐代子さん、大丈夫か?』『あんなに酔ったの、初めて見たぞ』なんて囁き合ってて……で、僕が彼女の自宅マンションまで送ることになったんです。ドア前まで送り届けると『1人になりたくない』って駄々をこねて……それからですね。
守るべき家族がいても、好みの女性に積極的に迫られるとオスの本能を掻き立てられるというのが本音です」
ただ、地元が一緒なだけに、会う時は細心の注意を払っているそう。
「デートはもっぱら1人暮らしの佐代子の自宅マンションです。行きつけの居酒屋に行く際も、時間をずらして必要以上に接近しないようにしましたね。
もっとも気を付けたのは『匂い』でしょうか。美容関係という職業柄、彼女は常に香水をまとっています。移り香が気になるので、妻の誕生日に、佐代子と同じ香水をプレゼントしました(笑)。妻は『あら、ステキな香り』と喜んでいましたが、内心は申し訳なさもありました」
「他には、彼女の化粧品が洋服につくことかな。一度、化粧品のラメが僕のシャツの胸元についていてね。娘が『パパ、これどうしたの?』って訝しんでいましたよ。その時は『あれ、なんだこりゃ?』と、とぼけましたけど、女ってよく見ていますね。佐代子と会う際は、『匂い』『化粧品の付着』に慎重になりました」
和夫さんはなおも続ける。
「そうそう、医師会の集まりで酔って帰宅した際、玄関に出迎えた妻に向かって、思わず『佐代子~』と叫んでしまったこともあったんです。
妻は『あなた、誰と間違えてるの?』と笑っていましたが、あの時は、一気に酔いが冷めましたね。よく笑い話で、寝言で愛人の名前を呼んで浮気発覚というのがありますが、あれ本当ですよ。以来、妻も佐代子も『ハニー』で統一しています(笑)。
佐代子からのLINEも、読んだらすぐ削除。双方が気持ちよく付き合うためにも、家族には絶対バレないようにするのが鉄則です」
「でね、毎年恒例の家族の海外旅行なんですが、今年はロサンゼルスに決まりました。1週間の旅行ですが、昨年の海外旅行では『楽しんできてね』と快く送り出してくれた佐代子が、その時に限って『ご家族にバレないように私も行きたい』なんて言い出してしまって……。ここで拒んで彼女の機嫌を損ねるとマズいかな、と思ってね。で、考えたんです。どうせなら、家族サービスと愛人サービスを同時にしようって」