そんなある日のことだった。すみれは夫が珍しく早く帰宅したので、犬を置いて1人で近所のスーパーに向かったという。
「スーパーに行く道すがら、久しぶりに彼女の姿が遊歩道に入っていくのが見えたんです。私は小走りで追いかけました。あと少しで追いつくところで、彼女が別の女性と話をしていることに気がついたんです」
彼女はマンションに住む、子連れの女性と肩を並べて歩いていた。2人は子どもを交えながら、和気藹々と話をしている。
「すごく盛り上がっていて、話しかけられる雰囲気じゃありませんでした。ただ、折り返してスーパーに行くのはちょっと面倒くさくて、仕方なしに少し離れて遊歩道を歩いていたんです。すると彼女が急に大きな声で、そういえば!と手を叩きながら話す声が聞こえました」
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