【後編】「本当にもらえるかも…」藁にもすがる思いで「お金配り」に応募、詐欺られたシンママの末路

同じ事例がないか調べてみると同じように被害にあった人がいることがわかった。そしてこのお金配りの多くが詐欺であることが書かれていた。

「知りもしない人に銀行口座番号を教えてしまったこと、それからカードで支払いをしたのでそれを登録してしまったこと、こういうことで何か不利益があるのではないかと今では違う不安まで背負うことになってしまいました」

試しにTwitterを開いて調べてみて欲しい。お金配りというツイートがかなりの数あることがわかる。中には、お金を本当に配っている人もいるのかも知れない。ただ、その数が詐欺の数を上回っているとは残念ながら思えない。さらにひどいものになると一旦はお金をもらえるものの、犯罪の片棒を担がされる危険もあるという。

結局、足りない学費はどうしたのだろう？

「両親に頭を下げました。こんなことなら、はじめからそうすればよかったと本当に後悔しています」。

ポイ活や投資など、労働以外にお金を稼ぐ手段は格段に増えている。天から降ってくるお金を待つ前に自分でやれることを調べ、努力することがこれからを生き抜くためには重要だ。

しかし、英子のようなシングルマザーや貧困層、コロナ禍による解雇など、苦境に立たされている人たちにはお金はもとより、それらを調べる余裕も時間もないことが多い。そういった弱い立場、苦しい境遇に漬け込むのが詐欺師であるということもまた頭に入れておきたい。

Text：悠木律