「最低の事件は、家庭訪問を利用しての不倫ですね。10分に短縮されてからはそんなことは起きていませんけど、10年ほど前に家庭訪問の時間は無制限だった時に、『家庭訪問』をすることで、保護者と懇意になった男性教員がいました」
佳子さんが言うには、その男性教員も別に、そんなつもりはなかったらしい。学校から与えられた業務として生徒の自宅を周り、自宅に上がり込み、座って保護者と話をする。それが当時の家庭訪問だった。
あるお宅を訪問した時、たまたまその家の子どもは習い事に出かけていて不在。その家で、何の気なく子どもの母親と二人きりで、その家の応接間のテーブルに向かい合って座った。その教員は20代。そして母親は40代だった。子供は特に問題のある子でもないし、成績も上々なので、当たり障りのない話をしていると、その母親が泣きだしたのだという。
「夫が冷たい」「子どもをうまく育てていく自信がない」「私なんて……」そんな文言を繰り出してくる母親にその男性教員は、「とにかく慰めなければ!」と焦ったらしい。
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