「でもまあ、そういったよくない事件が良く起きるので、家庭訪問が廃止になったり希望性になったりするのは仕方のないことかもしれませんね。子どもを取り巻く環境は年々複雑なものになっているので、家庭を見るくらいでは対処しきれないのかもしれませんし……」
彼女の言葉は重い。
「若手の女性教員が家庭訪問に行って、出てきたお父様にご挨拶しただけなのに、『うちの夫に色目を使った』とお母さまが仰って、それをまたその家の子どもが学校で言いふらすなんて困ったこともありました。そのおたくのお母さまに髪を引っ張られて転んだので、ケガをしたってその女性教員は笑っていましたけど、学校の校長や教頭はそういう時は教員を守ってくれないというか、『問題は穏便に片づけてほしい』みたいな態度をあからさまにとってくるので、結局その女性教員が『そんなことはしていない!』とはっきり怒ったことと、彼女が結婚したことでその問題は立ち消えました。
私は、『家庭訪問』というもののもつ意味をもっと考えた方がいいのではないかと今も思っていますけど、学校側からすれば余計な問題の起きる厄介な取り組みなのかもしれないですね。『家庭』という特別な場所、いわば聖域に教員が踏み入れるというのは、問題が起きても仕方がないって考え方もできますよね」
Text:FORZA STYLE
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