トヨタ「ハイエース」とともに、日々日本中で活躍している商用バン、日産「キャラバン」。広く使い勝手の良い荷室空間をもち、仕事の相棒としてのみならず、レジャーや趣味を楽しむユーザーからも支持されている。現行型のキャラバン(E26)は2012年に登場、2021年にはフェイスリフトを伴うマイナーチェンジが行われているが、生産開始から既に10年が経過しており、そろそろ次期型の登場が待ち遠しいタイミングだ。日産は2021年に、欧州で新型の商用バン「プリマスター」を発売しており、このプリマスターこそが、次期型キャラバンなのでは!? という噂もある。はたして、プリマスターは次期型キャラバンなのだろうか。
■欧州日産の商用バンには3つのサイズがある
2022年10月時点、欧州日産の商用バンラインアップには、中くらいのサイズの「プリマスター」の他、大きな商用車の「インタースター」、小さめな商用車の「タウンスター」という、3つのモデルがある。プリマスターとインタースターの2台は2021年に登場した新型モデルで、これまでのNV400とNV300の後継車(ネーミング変更)にあたる。またタウンスターは、電動商用仕様を新たに追加し、2022年9月より生産を開始している。
フロントフェイスには、日本のキャラバンも採用し始めたインターロックグリルを採用し、ブラックアウトされたヘッドライトや、落ち着いたボディカラーも新鮮でカッコ良い。また、片側スライドドアのバンボディかつ、両側開きのバックドアは開口部が非常に広く、荷物の載せ下ろしが非常に楽。欧州市場で、建築の資材搬入、物品搬送、人員輸送など、ビジネスシーンで大活躍しているようだ。
■プリマスターは日本のキャラバンよりも大きい
プリマスターは、ルノーの商用車「トラフィック」をベースとしている。ヘッドライトやフロントグリル、エンブレムは異なるが、ボディサイドのプレスラインや、ヘッドライトの形状などが同じだ。キャラバンとは違って、ボンネットのあるバンタイプのボディはオシャレな雰囲気もあり、日本へこのまま導入しても、人気が出るような気もする。
しかしながら、プリマスターはボディサイズがかなり大きい。標準仕様(L1H1)のボディサイズで、全長4999mm×全幅1956mm×全高1971mm、ホイールベース3098mmであり、4ナンバーサイズのキャラバンが、全長4695mm×全幅1695mm×全高1990mmであることを考えれば、プリマスターはキャラバンよりひと回り大きい。
キャラバンのスーパーロングボディ(最長5230mm、車幅1880mm)であっても、プリマスターのほうが車幅は76mmも広い。ちなみに、大型のインタースター(全長5048mm、全幅2070mm、L1)にいたっては、190mmも幅が広くなる。仮に、日本導入するとなれば、このボディサイズが最大のネックとなるだろう。