2019年の復活から3年、2022年4月に行われた初めてのマイナーチェンジで、ようやく6速マニュアルミッション(以下MT)が追加された、トヨタ「GRスープラ」。往年のクルマファンとしては、スポーツカーはやはりMTで乗りたいところであり、ファンにとってはうれしい知らせだったことだろう。
そんなマイチェンから半年が経過したが、ここで、GRスープラのグレード構成や装備概要、オプション設定や価格をあらためて振り返り、購入をシミュレーションしてみよう。
■6速MTは、直6エンジンとの組み合わせだけ
GRスープラのエンジンは2種類。ひとつは、エントリーグレードの「SZ」(税込499.5万円)と中間グレードの「SZ-R」(税込601.3万円)に用意される2.0L直列4気筒ガソリンターボ。もうひとつが、上級グレードの「RZ」(ATもMTも税込731.3万円)に用意される3.0L直列6気筒ガソリンターボだ。トランスミッションは全グレード共通となるZF製の超高性能な8速ATに加えて、4月のマイチェンで「RZ」のみに6速MTが設定された。
ご存じのとおり、GRスープラは、BMWの「Z4」とプラットフォームとエンジンが共通。そのZ4には、ベースグレードsDrive20iに、直4と6速MTの組み合わせがあるのだが、残念ながら GRスープラでは、廉価な直4に6速MTは設定されず、直6専用のユニットとなってしまった。
ただ、8速ATも、MTに対して10kgほど重たくはなるものの、レシオカバレッジはMTの4.858に対し、8.203と圧倒的に広く、加速と燃費の良い所どりができる。少しでもシフトチェンジを煩わしいと感じる方は、AT車を選んで間違いないだろう。
■足回りは、電制ダンパーとアクティブデフで武装
GRスープラでは、エンジンやトランスミッションで重たくなりやすいフロントに、重量物を極力ホイールベースの中央にくるようにパッケージングしたり、フロントサスペンションには、アルミを積極的に採用するなどで、前後重量配分50:50に近づける、といった工夫が施されている。
ここへさらに、「SZ-R」と「RZグレード」に標準装備される電制ショックアブソーバーのAVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)と、アクティブディファレンシャルによって、(スポーツモード選択で)エンジン、トランスミッション、ダンパーなどを制御変更してくれるので、レスポンスの良いスポーティな走りが可能に。
RZグレード専用となる新デザインの19インチホイールも力作だ。スポーク形状や断面形状の見直しにより、1.2kgの軽量化と同時に、高剛性化も行っているという。艶消しのプレミアムチタンダークシルバーに塗装されたホイールは、赤いブレーキキャリパーと実にマッチしており、雰囲気つくりにはもってこいだ。タイヤはミシュランパイロットスーパースポーツ。なおSZ-Rは18インチホイールと同タイヤ、SZには17インチホイールとランフラットタイヤとなる。