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FASHION 百“靴”争鳴

古き良き昭和の工場、 "セントラル靴"とともに歩んだ三陽山長 Vol.3

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セントラルなくして三陽山長なし

ファーストコレクションでクロケット(&ジョーンズ)につくってもらったり、スニーカーラインをほかの工場につくってもらったこともありますが、三陽山長は基本、セントラル靴一本でやってきました。

もちろん取引先が1社というのはリスクがあります。いくつかの工場にサンプル出しをしたこともありますが、どこもピンときませんでした。

三陽山長の靴はセントラル靴あってこそ。三陽山長は浅草のブランドなんだとしみじみ思います。硬派な感じとでもいえばいいんでしょうか。セントラル靴がつくる靴はどっしりしている。

その手仕事はどこをとっても申し分がありません。数々のビスポーク・スペックを難なくこなすところからもそれは明らかですが、たしかな腕前はライニングをみれば一目瞭然です。ぐるりと触ってみてください。皺ひとつないでしょ。これ、なかなかできる芸当ではありません。細かいところですが足に直接当たるパーツですからね。このゴロツキは侮れません。

1社なら数は少なくても途切れることなく注文が出せるところもメリット。職人の手は休ませないのが肝要ですから。休まなければ鈍る暇がありません。

それにね、この業界は斜陽産業です。いくらでも代わりがいる業界とは違うんです。大切にしなければならない。どんなに口が悪くてもね(笑)。

中澤さんもすでに85歳。その歳でなお現役です。ただただ頭が下がりますが、業界のためにもまだまだ長生きしてもらいたいですね。

 

最終回へ つづく

猿渡伸平(えんどしんぺい)
1970年神奈川県横浜市生まれ。日体大荏原高校卒業後、三陽商会の野球部に所属。引退後、営業、企画を経て三陽山長の創立メンバーに。現在は三陽山長を含むオウンブランドの責任者として活躍する。

【問い合わせ】
三陽山長
http://www.sanyoyamacho.com

Photo:Simpei Suzuki
Text:Kei Takegawa
Edit:Ryutaro Yanaka



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