あなたの家庭では “家事” を上手に分担できていますか? もちろん「やってくれるだけでありがたい」という方も多いことでしょう。
ですが実は、洗濯物のたたみ方や掃除の仕方など、相手のやる “家事” に内心小さな不満を募らせている、という方も多いようなのです。
その理由は?心理カウンセラーの五百田達成氏が詳しく解説します。
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しつこく言いますが、夫婦間で、妻や夫にやってもらって当たり前のことなんて一つもありません。妻は母親ではないし、夫は父親ではないのです。
相手がやってくれたことに対しては、どんなに些細なことでも「ありがたや〜」と思う気持ちを持つことが大事。それが共同生活というものです。
とはいうものの、相手の行動に対して「それはちょっと違うんじゃないか?」「それはもう少しこうしたほうがいいのでは?」と思うことってありますよね。
古典的ではありますが、たとえば相手が作ってくれた料理に対して、「まずくはない、 でもあとひと味足したい」と思った場合。
あるいは食器の洗い方やクルマの駐め方、近所への挨拶のしかたなど、文句を言いたい、ひとこと言いたいという場面。
このようなとき、どうしたら角を立てずに言えるでしょうか?
まず絶対にやってはいけないのは、自分の常識に当てはめていきなり文句を言うこと。「もう少しちゃんと拭いてよ」「普通、これぐらい隙間を空けて駐めるだろ 」などと頭ごなしに言ってはいけません。
かといって「言うのもめんどくさい」と自分でやり直してしまうのもNG。相手がせっかく干した洗濯物をきれいに干し直したり、黙って料理にいきなりドボドボとお醤油をかけてしまっては、相手の面目が丸つぶれです。
さらに、良かれと思って上から目線でアドバイスをするのもNGです。「もう少しきれいに畳んだほうがいいよ」「洗濯物は白い物と柄物を分けて洗ったほうがいいよ」などと言ってしまえば、「自分でやれ!」とキレられて当然です。
夫婦それぞれが「これがよい」と思っている常識は、結局のところ、その人のルールでしかありません。「このほうが効率的」「育児書に書いてあった」と言っても、結局は子どもの頃からの習慣や経験からくる「感覚」であって、「絶対に正しい」わけではないのです。
となれば、相手に対して「こうやれ」と押しつけるのはお門違い。もしどうしても自分のルールを押し通したいなら、一人で暮らしなさい、ということです。